就労移行支援の生活費をどう用意する?家計と制度の見取り図

就労移行支援は、就職へ向けて力をつけるサービスです。
通いたい気持ちがあっても、お金は気になります。家賃や食費をどう払うか。家族にどこまで頼めるか。給付が終わった後をどうするか。
この記事では、家計を見渡す順に整理します。金額を入れる前に、お金の種類を分けます。そのうえで、自分の今の状況に合う制度を探します。
就労移行支援の生活費は給料でまかなえますか?
通所は雇用ではないため、給料とは分けて考えます。

就労移行支援は、会社への就職をめざす支援です。作業や職場での体験を通じて、力をつけます。仕事探しや、職場に慣れるための支援もあります。
事業所に通うことと、そこで雇われることは別です。国の通知も、使う人を雇わない事業としています。生活費の計画を、会社の給料と同じ形にはできません。
一方で、生産活動にたずさわる人には工賃があります。国の資料では、売上からかかった費用を引きます。その分に見合うお金を、工賃として払います。
通うことと、給料を得ることを分ける
生活費の計画で混ぜないお金
| 思い込み | 確かめること |
|---|---|
| 通えば給料が出る | 通所は雇用ではなく、就職の準備 |
| 作業はすべて同じ収入になる | 生産活動の内容と工賃を分けて見る |
| 通所の収入で家賃を払う | 生活費を支える給付や手元のお金も見る |
工賃を家計に入れる前に、支払いの形を調べます。どの活動に工賃があるのかを書き出します。額がまだ分からないものは、未定の欄に置きます。先に家賃や食費へ割り当てない形です。
通う期間は、原則として2年間です。国の通知で標準利用期間が定められています。この期間を見すえ、収入が変わる所も探します。
貯金を使うなら、残高だけで考えないようにします。生活費の不足をどこまで補うかも決めます。家族のお金を使う時も、同じように分けます。
就労移行支援の生活費はいくら見積もりますか?
家賃や食費に、通所でかかる実費を足して見積もります。

生活費は、事業所へ払うお金だけではありません。生活保護の説明でも、日々の暮らしを分けています。食費、光熱費、家賃、医療などの費用です。
まずは、通う前から払っているお金を並べます。家賃、食費、水道や電気、通信費などです。通院や薬に払うお金も、自分の欄に入れます。家族が払っている分は、別に書き添えます。
次に、通うことで増えるお金を書きます。食事や日用品など、事業所で払う実費があります。サービスの利用料とは分けて見る費用です。
家計の不足を見つける流れ
B-GO!の生活費見積もりメモ
出ていくお金
暮らしの費用+通所の費用
入るお金
決まっている給付や家族の支え
差を埋めるお金
不足分と、手元に残すお金を整理
申請中の給付と、すでに決まった給付は分けて書きます。
入るお金には、使い道の違いも書きます。生活全体に使えるお金と、家賃向けのお金です。住居確保給付金は、貸主などへ直接払われます。自分の口座に入る生活費とは分けます。
そのうえで、支出から入るお金を差し引きます。残った不足を、貯金やほかの制度で考えます。年金の申請中なら、その欄は未定のまま残します。
家族と暮らす人は、家へ入れるお金も話します。食費をまとめて払うのか。通院代は自分で出すのか。立て替えた交通費を誰に戻すのか。分担まで書くと、家計のずれを見つけやすくなります。
自分で整理しづらい時は、家計の支援もあります。地域の自立相談支援機関へ相談できます。
就労移行支援の生活費と利用料は別ですか?
別で、サービスの利用料には所得に応じた上限があります。

利用料は、障害福祉サービスへの自己負担です。家賃や食費とは、分けて見積もります。国は、所得に応じて月の上限を決めています。通った量にかかわらず、その上限までです。
生活保護の世帯と、市町村民税が非課税の世帯です。この区分の上限は0円です。2026年11月閲覧の国の説明によります。
課税される世帯には、別の上限があります。一般1は9,300円、一般2は37,200円です。2026年11月閲覧の国の説明によります。
利用料と実費を比べる
無料という案内で、分けて見る所
| 項目 | 利用料 | 実費 |
|---|---|---|
| 何のお金か | サービスへの自己負担 | 食事や日用品など |
| 見方 | 所得に応じた上限を見る | 内容と額の説明を見る |
| 家計への入れ方 | 自分の区分を記入 | 利用料とは別に記入 |
一般1は、市町村民税の所得割が16万円未満です。グループホームの課税世帯などは一般2です。2026年11月閲覧の国の説明によります。
大人が通所する時は、世帯の見方も押さえます。18歳以上は、本人と配偶者の所得で見ます。親と同居していても、親の所得とは分けます。2026年11月閲覧の国の説明によります。
家族全体の収入を、そのまま当てはめない形です。自分が無収入でも、配偶者の所得は関わります。手元の収入だけで、区分を決めないようにします。
家計には、受給者証などで決まった額を写します。まだ決まっていない時は、未定と書きます。利用料が0円でも、実費の欄は残します。食費や日用品の扱いを別に見るためです。
就労移行支援の生活費に食費や交通費も入れますか?
入れますが、通所の交通費には地域の助成もあります。

食事や日用品の実費は、利用料とは別です。その他の日常生活費を受け取る時にも決まりがあります。内容と費用を先に説明し、同意を得る決まりです。
説明書では、食事代とほかの費用を分けて見ます。どの支出が、どの活動にかかるのかを書きます。通わなかった時の扱いも、家計メモに残します。自分が選ぶものと、通所にいるものも分けます。
国の2006年12月の通知にも、実費の考え方があります。その他の日常生活費は、実費に見合う額までです。内容と額を運営規程に定め、掲示するとしています。
通所の実費を拾うメモ
見落としやすい支出と、助成の入れ方
食事と日用品
説明された内容と額を書き写す
通所の交通費
自分が使う経路と運賃を書く
交通費の助成
支払うお金と戻るお金を分ける
交通費の助成は、自治体ごとに対象が異なります。住む市区町村の障害福祉担当で調べます。通所先・経路・運賃をメモして伝えます。
就労移行支援の生活費に障害年金を使えますか?
障害年金の要件に合う人は、生活を支えるお金にできます。

障害年金は、就労移行支援とは別の制度です。受け取るには、初診日の加入状況などを見ます。障害の状態や、保険料の納付も関わります。通所を始めることだけで決まるものではありません。
初診日は、その病気やけがで初めて受診した日です。その日にどの年金へ入っていたかが関わります。今は仕事をしていなくても、過去の加入を見ます。
すでに受けている人は、家計に受取額を書きます。請求を考える人は、申請中の欄を作ります。まだ決まっていない額を、決まった収入と混ぜません。家族の支えを考える時も、この分け方を使えます。
就職の準備と、年金の手続きを分ける
生活費の話を、担当ごとにつなぐ
就労移行支援
訓練の内容や、仕事探しの支援
障害年金
初診日・加入・障害の状態を整理
通所の話と年金の話を分け、家計のメモでつなぎます。
年金を考える時は、受診した医療機関を並べます。転院している人は、その順番も残します。手元にある年金の書類や通知もまとめます。初診日や加入状況を整理するための準備です。
家族は、本人に代わって結論を決めなくて大丈夫です。覚えている受診の経緯を書き添えられます。本人がどの書類を持っているかも、一緒に探せます。
病名だけで、年金や通所の見通しを決めません。年金は、国が定める障害の状態などで見ます。就労移行支援では、就職にいる支援を考えます。見ていることを分けて整理する形です。
就労移行支援の生活費に傷病手当金は使えますか?
傷病手当金は、療養で働けず給与が足りない人の給付です。

今は休職中という人もいるでしょう。退職前から給付を受けている人もいます。まずは、加入している健康保険の書類を出します。給付の名前と、支給の状況を分けて書きます。
傷病手当金の支給は、通算して1年6か月までです。2026年11月閲覧の国の説明によります。使い始めからの経緯を、家計メモに残します。
訓練を始めたい時は、その内容も整理します。何を学ぶのか。休みを取りながら通うのか。今の仕事に戻るための準備なのか。生活費の話と、体調の話をつなぐ材料です。
給付の終わりから家計を見直す
通所の予定と、お金の予定を重ねる
今の支給状況
通知と、これまでの支給を整理
支給が終わる所
終わった後の不足を書き出す
次の生活費
別の給付や手元のお金を整理
通所できることだけで、給付の扱いは決めません。傷病手当金には、療養や仕事に関する要件があります。健康保険の担当へ、訓練の内容を伝える形です。
本人の説明を助けるため、予定表を用意できます。事業所で行う作業と、会社で行う仕事を分けます。休憩や通院の予定も、同じ紙に書き添えます。できることと、支えがいることを伝えるメモです。
家計では、支給の終わりを空欄にしないようにします。まだ分からない時は、確かめる欄を残します。終わった後に、どの支出が足りなくなるか。貯金で補うのか、別の制度を考えるのか。通う予定と一緒に並べておけます。
家族と話す時も、今の受取額だけでは足りません。支給が終わった後の分担まで書きます。生活費の不足と、訓練への希望を分けて話せます。
就労移行支援の生活費に失業給付を使えますか?
基本手当は、働く意思と能力がある人のための給付です。

退職したことだけで、基本手当が出るわけではありません。就職したい気持ちと、働ける状態がいります。仕事を探しても、就職できていないことも要件です。
そのため、今すぐには働けない人は扱いが変わります。病気やけがで働けない時は、受給期間の延長です。受け取るための期限を延ばす手続きになります。
働けない状態が30日以上続く時に検討できます。加えられる期間は、最大3年間です。2026年11月閲覧の国の説明によります。
今すぐ働ける状態かを分ける
雇用保険で、先に整理する問い
今、仕事を探して就職できる状態ですか?
基本手当の要件を見る
求職の状況と通所の予定を伝える
受給期間の延長を考える
働けない理由と経緯を整理する
延長は、その間の生活費を払う仕組みとは別です。働けるようになった後の受給につなぐ手続きです。今の生活費には、ほかの収入や支援も並べます。
就労移行支援へ通う予定も、具体的に伝えます。応募できる仕事はどのようなものか。就職の話が進んだ時、働き始められるのか。訓練だけの話にせず、求職の状況を整理します。
国は、延長の申請を早めに行うよう案内しています。遅い申請では、受け取れる日数が残せないこともあります。2026年11月閲覧の説明によります。
相談先は、住まいを受け持つハローワークです。離職票など、手元の雇用保険の書類をまとめます。通所先の予定表も、一緒に置いておけます。
就労移行支援の生活費で家賃が足りない時は?
家賃には住居確保給付金、借入には生活福祉資金があります。

住居確保給付金は、住まいを守るための制度です。離職や、働く機会の減少などに関する要件があります。収入や資産なども関わるため、家計全体を整理します。
家賃の支給は、原則3か月間です。延長を含めると、最大9か月間です。2026年11月閲覧の国の説明によります。
額は、市区町村が定める上限の範囲です。実際の家賃をもとに、貸主などへ直接払います。食費に使う現金とは、家計の欄を分けます。
家賃の給付と、生活費の貸付の早見表
同じ「お金の支援」でも分けて考える
| 制度 | 支えるもの | 先に整理すること |
|---|---|---|
| 住居確保給付金 | 要件に合う人の家賃 | 家賃、収入、資産、離職などの経緯 |
| 生活福祉資金 | 暮らしを立て直すための貸付 | 借りる理由、使い道、返す見通し |
生活福祉資金は、お金を借りる制度です。低所得の世帯や、障害のある人の世帯などが対象です。貸付を決める時は、返せる見通しも考えます。
借りるお金は、収入の欄だけに入れない形にします。今の不足を補う一方で、返すお金も生じるためです。何に使うかと、何で返すかを並べて書きます。通所中の不足を先送りしないためのメモです。
相談先は、住んでいる地域の社会福祉協議会です。国の案内では、市区町村の社協を入口としています。貸付の種類や条件に沿って、話を整理できます。
家賃だけが足りないのか、生活全体が足りないのか。ここを分けると、制度の違いが見えてきます。家賃の支援を考える時も、食費の欄は残します。借入を考える時は、返済後の家計まで書きます。
就労移行支援の生活費が足りない時は生活保護ですか?
生活保護は、最低生活費に収入が届かない時の制度です。

国が定める最低生活費と、収入を比べます。収入が足りない時は、その差の分を支給します。資産や働く力、ほかの制度を使うことも前提です。
年金や手当を受けている人も、収支を整理します。年金があるという理由だけで、自己判断しません。国の説明は、最低生活費との差を見る仕組みです。
生活保護は、世帯ごとに見ます。サービスの利用料で見る世帯とは、分けて考えます。本人だけの収入で決めず、家族との暮らしも伝えます。
生活保護で混ぜない考え方
収入の有無だけで、結論を出さない
| 思い込み | 制度で見ること |
|---|---|
| 年金があれば対象外 | 最低生活費と収入の差を見る |
| 本人の収入だけで決まる | 世帯の暮らしや資産も見る |
| 新しい収入はそのまま上乗せ | 収入を申告し、保護費の扱いを整理 |
受給中は、収入の状況を毎月申告します。2026年11月閲覧の国の説明によります。工賃などが入った時も、収入の資料を残します。
相談や申請の入口は、地域の福祉事務所です。生活保護を担当する窓口で、暮らしの状況を伝えます。福祉事務所がない町村は、町村役場でも申請できます。
相談の準備は、家計のメモから始められます。家賃や食費、今ある収入を書きます。払えていないお金も、分かる範囲で残します。家族に出してもらっている分も、別に書きます。
通所を考えていることも、同じ紙に書き添えます。就職に向けて、どんな準備をしたいのか。体調の面で、どんな支えがいるのか。お金の不足と、これからの希望を並べる形です。
すでに受給している人は、担当者との話につなげます。通所の実費や交通費も、説明できるようにします。生活費の支援と、通うための支援を分けて整理します。
就労移行支援の生活費はどこへ相談しますか?
家計の困りごとは、地域の自立相談支援機関が入口です。

全国で、仕事や暮らしの相談を受けています。市区町村の福祉担当で、近くの窓口を探せます。生活保護の相談や申請は、福祉事務所が担当します。
困りごとから相談先を選ぶ
家計・家賃
地域の自立相談支援機関
生活保護
住まいの地域の福祉事務所
借入
市区町村の社会福祉協議会
持参メモ:通所の予定・月の支出・収入・申請中の給付。
障害年金は年金事務所などへ相談します。基本手当は、住まいを受け持つハローワークです。傷病手当金は、加入する健康保険へ連絡します。
話す時は「通う間の家賃が足りない」と伝えます。給付がいつ終わるかも、分かる範囲で書きます。制度の名前が分からなくても、家計から話せます。
就労移行支援の生活費は通所前に何を整えますか?
収支と給付の終わりを、通所の期間と並べて整えます。

まず、家計の不足がどこにあるかを書きます。次に、決まっている給付と申請中の給付を分けます。最後に、支給が終わる所と通所の予定を重ねます。入るお金だけでなく、足りなくなる所を見る形です。
通所には、暫定支給決定が使われることもあります。就労移行支援は、最長2か月の評価の対象です。2026年7月版の国の事務処理要領によります。この間にかかる実費も、家計の欄に置きます。
通所前に持ち帰る家計の手順
B-GO!の生活費確認メモ
収支を書く
暮らしと通所の支出を分ける
制度を分ける
給付・貸付・助成を別の欄へ
変わる所を残す
給付の終わりと不足への備えを書く
働き方そのものを考えたい人には、別の支援もあります。就労選択支援は、希望やいる配慮を整理する制度です。短い作業などを通じて、自分で選ぶために使います。
新しく就労移行支援を考える人も、希望して使えます。2025年9月30日改正の国の通知によります。家計の話と、働き方の希望を分けて整理できます。
家計メモには、まだ分からない欄があって構いません。利用料、実費、交通費、給付の扱いを分けます。どこを誰に伝えるかも、横に書いておけます。空欄を無理に埋めず、次の話につなぐ形です。
通うために、生活の不安を隠すことはありません。家族の支えだけで足りない所も書けます。自分が払える範囲と、制度で考える範囲を分けます。希望する訓練と続けられる家計を、同じ紙に残します。
出典
- 障害者総合支援法|e-Gov法令検索
- 障害者総合支援法施行規則|e-Gov法令検索
- 指定障害福祉サービスの人員・設備・運営の基準|e-Gov法令検索
- 障害福祉サービスの内容|厚生労働省
- 就労選択支援の実施について|厚生労働省
- 障害者の就労支援対策の状況|厚生労働省
- 日常生活に要する費用の取扱いについて|厚生労働省
- 支給決定事務等の事務処理要領|厚生労働省
- 生活保護制度|厚生労働省
- 障害者の利用者負担|厚生労働省
- 就労移行支援事業等における留意事項について|厚生労働省
- 就労支援事業会計の運用ガイドライン|厚生労働省
- 年金制度の仕組みと考え方・障害年金|厚生労働省
- 傷病手当金|全国健康保険協会
- 基本手当、再就職手当のQ&A|厚生労働省
- 住居確保給付金・制度概要|厚生労働省
- 生活福祉資金貸付制度|厚生労働省
- 受給期間の延長手続き|兵庫労働局
- 各種相談窓口・融資・給付制度等|厚生労働省
