就労支援B-GO! の読みもの

就労継続支援B型と障害年金受給と更新の確認点

就労継続支援B型と障害年金受給と更新の確認点
書類を見ながら受け取るお金のことを相談する、成人と支援員の架空の水彩画
希望や困りごとを、相談しながら整理します。

就労継続支援B型を利用しながら、障害年金を受けることは可能です。ただし、B型に通うだけで受給や支給停止が決まるわけではありません。初めて請求する場合と、受給中の更新では確認することが違います。自分の年金の種類、生活の状態、所得の扱いを分けて整理しましょう。

この記事で分かること

  • 初めて障害年金を請求するときの確認点
  • B型の利用状況と、更新で伝えたい生活の様子
  • 工賃・年金・利用料の違いと、それぞれの相談先

B型と障害年金は併用できる?

就労継続支援B型は、支援を受けながら作業に取り組む福祉サービスです。事業所との雇用契約は結びません。作業などに対して受け取るお金を「工賃」といいます。

B型と障害年金は併用できる?

一方、障害年金は、病気やけがによる障害について条件を満たした人が受ける年金です。B型の利用を決める仕組みとは別です。初診日の加入制度などにより、障害基礎年金や障害厚生年金を確認します。

「通えるようになったから、すぐ年金が止まるのでは」と心配する方もいるでしょう。しかし、利用先の名前だけでは、生活の困難や必要な支援は分かりません。特に精神の障害の認定では、仕事内容や受けている援助なども確認します。

反対に、「B型の利用者なら、申請すれば必ずもらえる」という理解も正確ではありません。初回の要件を満たすか、受給中なら現在の障害状態はどうかを確かめます。対象となる年金では、所得による支給制限も別にあります。

図自分の状況に合わせて、確認を分ける

初めて請求する

初診日・加入していた年金・保険料の要件・障害の状態を確かめる。

すでに受給している

届いた更新書類と、現在の生活や働き方を確認する。

20歳前の年金未加入期間に初診日がある場合

初回・受給中のどちらでも、該当する障害基礎年金の所得制限を別に確かめる。

編集部が相談する内容を整理した図です。受給の可否や等級を判定するものではありません。

初めて請求する人は受給要件を確認する

最初に病院で診てもらった日を整理する

初診日とは、原因となった病気やけがで初めて医師などの診療を受けた日です。今の病院に通い始めた日や、B型の利用開始日と同じとは限りません。以前の通院先や、受診した時期を整理しておきましょう。

初めての請求で整理すること
初診日
原因となった病気やけがで最初に診てもらった日
加入と納付
その日に入っていた年金と、納付・免除の記録
障害の状態
診断書などで確かめる項目を年金窓口で聞く
初めて請求する人は受給要件を確認する

初診日に厚生年金に加入していた場合は、障害厚生年金の要件を確認します。今、B型に通っていることだけで、障害基礎年金と決まるわけではありません。年金の加入記録も、相談のときに確かめてもらってください。

保険料と障害の状態は、それぞれ確認する

年金の保険料を納めてきたか、免除を受けた期間があるかも確認の対象です。これを「保険料納付要件」といいます。免除と未納は同じ扱いではないため、記憶だけで諦めず、記録を調べましょう。

ただし、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合、障害基礎年金の納付要件は不要です。「20歳前から病気だった」というだけで、すべて同じ条件になるわけではありません。初診日と、その日の加入状況を確かめる必要があります。

さらに、法令で定める障害の状態に当てはまることが必要です。障害基礎年金は1級・2級、障害厚生年金は1級から3級の状態などを確認します。年金の等級を、障害者手帳の等級からそのまま決めることはできません。

請求する時期と、必要書類を先に聞く

「障害認定日」は、障害の状態を判断する基準となる日です。その日に必要な状態にあった場合の請求と、その後に重くなった場合の請求は分かれます。受け取れる時期や期限も違うので、どちらに当たるかを相談してください。

請求には診断書などの書類が必要です。「病歴・就労状況等申立書」は、病気の経過や生活・働き方を伝える補足資料です。最初の病院と診断書を書く病院が違う場合などは、初診日を確かめる書類についても確認します。

B型で働く状況は年金の認定でどう見られる?

精神の障害では、働くための援助も確認する

日本年金機構の「障害認定基準」には、精神の障害の説明があります。ここでは、働いている事実だけで日常生活の力が上がったと捉えないとされています。療養の状況や作業内容、仕事場で受ける援助なども確認する考え方です。

B型で働く状況は年金の認定でどう見られる?

等級判定ガイドラインにも、援助や配慮がある環境で働けている場合の見方が示されています。その支えがなければ、どのような状態になるかも考慮します。仕事をしている時間だけでなく、普段の生活をどう支えてもらっているかも大切です。

「通っています」の先にある事実を伝える

B型では、同じ利用日数でも、必要な手助けは人によって違います。「どんな説明や支えがあれば作業できるか」を具体的に伝えましょう。できることも、難しいことも、そのまま整理するのが基本です。

説明するときのメモの例(編集部作成)
確かめる場面書いておく内容の例
作業の進め方書いておく内容の例見本を見せてもらう、手順を分けて説明してもらう
人とのやり取り書いておく内容の例聞き直すときや、予定が変わるときに必要な手助け
利用の様子書いておく内容の例通えた日、休んだ日、早く帰った日とその理由
帰宅後の生活書いておく内容の例疲れ方、食事や身の回りのことで受けている援助

これは等級を決める採点表ではありません。ガイドラインが示す援助や生活の状況を、説明しやすくするための例です。事業所の支援員にも、実際に受けている手助けを確認してみてください。

ガイドラインには、B型などの就労系サービスでの就労について、等級の可能性を検討する記述があります。しかし、利用者全員の等級が決まるという意味ではありません。診断書などの情報を合わせた判断になります。

更新では診断書と日常の様子を確認する

書類が必要な年と、提出期限を確かめる

受給中は、障害の状態を確認するため、必要な年に診断書の提出が求められます。この書類を「障害状態確認届」といいます。初めて年金を請求する手続きとは分けて確認しましょう。

更新用の診断書が届いたら
  1. 確認届いた書類で提出期限を見る
  2. 受診作業や日常生活で受けている助けを医師に伝える
  3. 提出診断書が期限までに届くように出す
更新では診断書と日常の様子を確認する

日本年金機構は、提出が必要な年の誕生月の3カ月前の月末に書類を送ります。医師に診断書を記入してもらい、誕生月の末日までに届くよう提出します。診断書には、提出期限前3カ月以内の障害の状態が必要です。

診察の予約や作成に時間がかかることも考え、届いたら早めに医療機関へ相談してください。書類の提出が遅れたり、内容に不備があったりすると、支払いが一時止まる場合があります。これはB型の利用だけを理由に年金が止まる話とは別です。

受診の場では、作業と生活の両方を話す

医師には、「B型に通っています」とだけ伝えて終わらないようにしましょう。作業の内容や受けている援助、休むことがあるかなどを話します。帰宅後の様子や、家族に助けてもらっていることも整理しておくと伝えやすくなります。

精神の障害のガイドラインでは、働く影響で仕事以外の生活が大きく難しくなる場合も考慮します。作業中は過ごせても、家では何が難しいのかを事実で伝えてください。良い日と悪い日の違いも、分かる範囲でメモしましょう。

年金を続けるために、できることを隠したり、困りごとを大きく言ったりする必要はありません。反対に、診察で元気に見せようとして、必要な支援を省かないことも大切です。判断の材料になるよう、実際の状態を説明しましょう。

20歳前の傷病による年金は所得制限にも注意

障害の状態とは別に、所得の確認がある

20歳前の年金未加入期間に初診日がある傷病による障害基礎年金には、本人の所得による支給制限があります。前年の所得が一定額を超えると、年金の半額または全額が支給停止になります。

所得制限の対象かを確かめる
  1. 初診日20歳前で年金未加入の期間に当たるか
  2. 年金の種類証書を見て、対象か年金窓口へ聞く
  3. 所得対象なら前年の所得と控除を確認する
20歳前の傷病による年金は所得制限にも注意

この確認は、「どの程度の障害があるか」という判断とは別です。B型の利用日数だけを減らしても、所得の確認が不要になるわけではありません。まず、自分がこの所得制限の対象となる年金を受けているかを確認しましょう。

「20歳前に病気になった」「20歳前に働いたことがある」だけでは分類できません。20歳前でも厚生年金に加入していた期間の初診は、別の要件を確認します。年金証書や通知を手元に置き、年金の窓口で確かめてください。

工賃の月額を、そのまま制限額と比べない

所得は、振り込まれた金額そのものと同じとは限りません。対象となる収入や控除、確認する年を整理して判断します。工賃以外に収入がある場合も、その情報を含めて相談してください。

日本年金機構は、所得制限額と、扶養親族がいる場合の加算を公表しています。前年所得に基づく支給停止の期間は、10月から翌年9月までです。制限額は変更されることがあるため、下の出典から現在の案内を確かめましょう。

工賃・障害年金・B型の利用料を分ける

受け取るお金と、払うお金を別々に整理する

生活費を考えるときは、工賃と障害年金を別々の欄に書いてみましょう。工賃は作業に関するお金で、年金は年金制度から受け取るお金です。B型を使うための利用料や、食事などの実費とも分けます。

工賃・障害年金・B型の利用料を分ける
お金ごとの確認先
お金の種類確認したいこと主な相談先
工賃確認したいこと計算の方法と支払われる時期主な相談先B型事業所
障害年金確認したいこと受給要件、更新、該当する所得制限主な相談先年金事務所など年金の窓口
B型の利用料確認したいこと自分の負担上限と確認する世帯主な相談先住まいの市区町村の障害福祉窓口
食事などの実費確認したいことサービス利用料とは別に払う費用主な相談先B型事業所

障害年金の額も、等級や年金の種類、加算などによって異なります。他の人の振込額を、自分の予定額に当てはめないようにしましょう。現在の年金額は、日本年金機構の基礎年金・厚生年金の案内から確認できます。

非課税でも、すべての制度で扱いが同じとは限らない

障害年金は、所得税・復興特別所得税の課税対象ではありません。ただし、「非課税だから、どんな制度でも収入に数えない」と広げて考えないようにします。利用している制度ごとに、何を収入や所得として扱うかを確認してください。

B型など障害福祉サービスの利用料には、月の負担上限があります。区分は、市町村民税の課税状況などで決まります。通所する18歳以上の人では、所得を確認する世帯の範囲は原則として本人と配偶者です。

年金を受けているという理由だけで、利用料が全員同じ額になるとはいえません。サービス利用料と食費などの実費も別です。住まいの自治体と事業所へ、自分の負担を分けて尋ねましょう。

作業で受け取るお金については、B型の工賃と平均の見方も参考にしてください。平均額と、自分が実際に受け取る額は区別して考えます。

よくある質問と、相談前にまとめたいこと

B型に通い始めると、障害年金は必ず止まりますか?

利用開始だけで必ず止まるとはいえません。年金の要件や現在の障害状態などを確認します。精神の障害では、働くための援助や日常生活の状況も判断の材料です。所得制限の対象かどうかも別に確かめてください。

年金の話とB型の話を分けて相談する
年金の受給・更新
年金窓口へ。医師には作業や暮らしの支え方を伝える
B型の利用
住んでいる市区町村へ。希望する作業や支援を伝える
よくある質問と、相談前にまとめたいこと

年金を受けていないとB型を利用できませんか?

年金の受給だけがB型の利用条件ではありません。必要な支援や利用までの手続きは、市区町村の障害福祉窓口で相談します。詳しくは、B型の利用条件をご覧ください。

工賃はいくらまでなら、年金に影響しませんか?

全員に共通する工賃の上限額としては答えられません。所得制限の対象となる年金か、どの収入をどう計算するかを確認してください。障害状態の認定も、工賃額だけで決まるものではありません。

更新の診断書のために、主治医へ何を伝えればよいですか?

作業の種類、通う様子、受けている援助、家で困っていることを整理して伝えましょう。診断書の医学的な判断と記入は医師が行います。受給のために話を変えるのではなく、実際の生活が伝わるようにすることが大切です。

相談前のメモを用意する

まずは、これから請求するのか、すでに受給しているのかを書きます。受給中なら、年金の種類と届いた通知を確かめましょう。初回の相談なら、最初に診てもらった病院と時期、当時の仕事や加入制度を整理してください。

次に、B型での作業や支援、家での様子を短く書きます。分からない項目は空欄でも構いません。年金の窓口へ「確認するために、ほかに何が必要ですか」と尋ねる材料にしましょう。

障害基礎年金の請求先は原則として住まいの市区町村です。ただし、初診日が国民年金の第3号被保険者期間中の場合は年金事務所などになります。第3号とは、厚生年金加入者に扶養される配偶者などの加入区分です。提出先は事前に確認してください。

年金の条件を確かめながら、通う場所も自分の希望で比べていきましょう。神奈川県の候補は、地域からB型などの事業所を探すから確認できます。掲載情報は候補探しの材料として使い、現在の空きや受入れは各事業所へ確かめてください。

制度と公的資料に基づく一般的な説明です。個別の受給・等級・支給停止を判定する記事ではありません。制度の条件や必要書類は、自分の状況に合わせて確認しましょう。

種類や金額の説明と、自分の請求・更新を区別する

障害年金の案内を見るときは、障害基礎年金と障害厚生年金など、どの制度の説明かを確認します。金額の一覧だけで自分の受給や更新を予測せず、対象年度と本人の通知を分けて読みます。最初の請求に必要な確認と、既に受けている年金の更新は、それぞれ担当窓口へ質問します。

B型へ通う状況は、日数や工賃だけでなく、どんな支援を受け、どんな困難があるかも正確に伝えます。医師へ伝える生活の実態と、年金の窓口へ確認する書類や期限を分けます。通所しているという理由だけで、認定の結果を言い切らないことが大切です。