就労移行支援の就職率をどう読む?分母と時点で実績を比べる

就労移行支援は、会社などで働く力をつける障害福祉サービスです。
事業所を探す時、就職率は目に入りやすい数字です。けれど、割合だけでは集計の中身が見えません。
まず、誰を数えた実績なのかを読みます。そのうえで、通いたい事業所の支援と重ねます。
この記事では、国の割合から読み方をたどります。最後に、全国で使える資料とメモをまとめます。
就労移行支援の就職率は全国でどのくらいですか?
2024年の国の集計では、60.2%です。

これは、使い終えた人のうちの割合です。一般就労へ移った人が、どれだけいたかを表します。2026年9月28日の国の資料に載っています。
今も通っている人全体の割合ではありません。これから通う自分の結果を示す数字でもありません。分母は、サービスを使い終えた人です。
国の図では、ほかの就労支援も並んでいます。2024年は、A型が29.2%でした。B型は11.8%です。いずれも、使い終えた人を分母にします。
国の割合は「使い終えた人」が分母
就職率を読むためのサービス別の比べ表
| サービス | 一般就労へ移った割合 |
|---|---|
| 就労移行支援 | 就労移行支援 60.2% 2024年の集計 |
| 就労継続支援A型 | A型 29.2% 2024年の集計 |
| 就労継続支援B型 | B型 11.8% 2024年の集計 |
通っている人全体の割合ではありません。
この表は、事業所の順位をつける表ではありません。サービスごとに、支える目的がちがいます。
就労移行支援には、仕事探しの支援があります。職場体験や、就職後の相談もふくまれます。
A型は、雇用契約にもとづいて働く仕組みです。B型は、雇用契約を結ばずに働く機会を支えます。
割合の高いサービスを選ぶ、とは考えないでください。今の希望に合う支援なのかを、別に見ます。
また、全国の割合と、通う先の実績は別です。国の数字を、そのまま各事業所に当てはめないでください。
手元の案内に就職率があれば、まず注記を読みます。国と同じ分母なのかをたどるためです。
B型そのものの仕組みは、別の記事にまとめています。就労継続支援B型とはから読めます。
就労移行支援の就職率はどう計算しますか?
国の割合は、使い終えた人を分母にします。2024年の集計も、この形です。

分母は、割合を出す時のもとになる数です。分子は、その中で一般就労へ移った人の数です。
読み方は、一般就労へ移った人を先に見る形です。その数を、使い終えた人の数で割ります。国の資料では、この関係で割合を示しています。
まだ通っている人は、この分母に入りません。使い始めた人全体を追った割合とも、分けて読みます。
分母から、割合をたどる
国の就職率を読み直す手順
分母を読む
使い終えた人の数
分子を読む
一般就労へ移った人の数
割合を読む
分子を分母で割った値
次に見るのは、いつの実績かです。2024年の図は、同年10月1日時点の集計です。そこから、前の1年間の実績を数えています。
資料が出た日と、実績を数えた時期は別です。2026年9月28日の資料でも、図は2024年の集計です。公表年だけで読まないでください。
事業所の案内でも、数字の近くの注記を探します。「いつから、いつまでを数えたか」を書き出します。
そのうえで、就職として何を数えたかを見ます。内定の段階か、働き始めた後かを分けて読みます。
数え方が書かれていなければ、比べ表には足しません。割合だけを移すと、意味のちがいが消えるためです。
「卒業した人」という言葉にも目を向けます。使い終えた人全体なのか、説明を探してください。
就職して終えた人だけを分母にする読み方は避けます。国の分母は、使い終えた人全体です。
手元のメモでは、割合と人数を別の欄に置きます。分母と分子が分かれば、数字の意味を戻って読めます。
分母が分からない時は、その点を質問に残します。大きな割合を、自分で別の式に直すことはしません。
就労移行支援の就職率は高ければ選んでよいですか?
いいえ、通う先の事業所と集計の範囲をそろえます。国の検索は、事業所を探す仕組みです。

国の案内では、住所や事業所名で情報を探せます。法人名でも検索できます。
そこで、法人と事業所を別の欄に書きます。自分が通いたい場所の名前を、先に決めるためです。
実績を読む時も、同じ名前が付いているかを見ます。法人全体の実績なら、その範囲のまま受け取ります。
通いたい事業所の実績ですか?
法人全体と通う場所を分ける読み方
実績の名前と、通う先の名前が同じ?
分母と時点へ進む
数えた人と実績の時期を読む
範囲を分けて書く
法人全体の実績を別の欄に置く
範囲が分からない数字は、質問の欄に残します。
比べる時は、通う先の欄と、法人全体の欄を作ります。片方の空欄を、もう片方の数字で埋めないでください。
集計の時期も、並べる前にそろえます。長く積み上げた実績と、決まった時期の実績を分けます。
これまでの就職者の数は、積み上げた実績として読みます。今の事業所の就職率に読み替えることはしません。
割合が近くても、分母が同じとは限りません。分母の説明が同じかを、数字より先に読みます。
逆に、割合がちがっても、すぐに差を決めません。集計の範囲がちがえば、同じ土台で比べられないためです。
これは、数字を使わないという意味ではありません。意味がそろう実績を、選ぶ材料に残すという読み方です。
国の公表制度は、サービスを選ぶための仕組みです。事業者の報告した中身が、公表されます。
公表情報と手元の案内は、名前をそろえて並べます。食い違う所は、資料名ごと質問の欄に置きます。
就職先の名前だけで、結論を出すのも避けます。自分がしたい仕事や、いる配慮も横に書いてください。
実績を読む目的は、自分に合う支援を探すことです。割合の大小だけで、候補を消す読み方にはしません。
就労移行支援の就職率と定着率は同じですか?
いいえ、就職と、その後も働くことは別です。国の支援には、就職後の相談もあります。

就職率では、就職に至った所を読みます。定着率では、働き続けている所を読みます。
ただし、定着率も名前だけでは比べません。誰を分母にして、どこまで追った割合かを読みます。
国の説明では、就労定着支援は別のサービスです。就労移行支援などを使って就職した人が対象です。
就職の前と後を分けて読む
就職率の先にある、働き続ける支援
仕事を探す
訓練や職場体験を進める
働き始める
就職した実績を読む
働き続ける
仕事や暮らしの困りごとを相談
就職の割合と、就職後の支援を別々に見ます。
就労定着支援は、就職後の生活面も支えます。企業や医療機関との連絡調整も行います。
支援の対象者と、定着率の分母は分けます。対象者の決まりが、そのまま割合の式になるわけではありません。
定着率を見る時は、働き始めた日から追うのかを読みます。支援を使い始めた日から追うのかも見ます。
終わりの時点も、同じように書き出します。途中までの実績なら、その時点の実績として受け取ります。
就職率の横に定着率があっても、足し合わせません。数えている場面と人が、同じかを先に読みます。
数字の次は、働き続けるための支援です。困った時に誰と話すのかを、支援の説明から拾います。
国の説明には、企業や医療機関との連絡があります。暮らしの中の困りごとの相談もふくまれます。
自分のメモには、職場に伝えたい配慮を書きます。疲れた時の伝え方なども、質問に加えられます。
就職後に担当が変わるなら、引き継ぎの話も残します。連絡先だけでなく、何を相談するかまで書きます。
就職率は入口の実績として読みます。その先の相談の仕組みまで、候補を比べる欄に入れてください。
就労移行支援の就職率はハローワークと比べられますか?
いいえ、ハローワークは求職の申込件数が分母です。2025年度の公表資料に式が載っています。

ハローワークの障害者の就職率は、41.4%です。2025年度の実績で、2026年6月19日の公表です。
同じ資料の就職件数は、115,178件です。新しい求職の申込件数は、278,136件でした。いずれも2025年度の実績です。
国の就労移行支援の割合とは、分母がちがいます。こちらは、使い終えた人を分母にしています。
名前が同じでも、分母がちがう
就労移行支援とハローワークの数字の読み分け
| 読む項目 | 就労移行支援 | ハローワーク |
|---|---|---|
| 公表された割合 | 就労移行支援 60.2% 2024年集計 | ハローワーク 41.4% 2025年度実績 |
| 分母 | 就労移行支援 使い終えた人 | ハローワーク 新しい求職の申込件数 |
| 数える単位 | 就労移行支援 人 | ハローワーク 件 |
この表では、割合の差を効果の差に読み替えません。数える人や件数の土台が、そろっていないためです。
また、ハローワークの実績は「件」です。就職件数を、そのまま就職した人数とは書きません。
資料をメモする時も、単位を省かないでください。数字だけを写すと、人と件のちがいが見えなくなります。
「就職率」という名前だけをそろえても比べられません。分母、単位、対象の時期を並べてから読みます。
使う支援を考える時も、この差だけでは決めません。自分が求める支援の中身を、別の欄で比べます。
例えば、職場体験をしながら考えたい人もいるでしょう。応募の相談から始めたい人もいるでしょう。
その希望を先に書き、支援の説明と重ねてください。割合の大きい方へ進む、という選び方にはしません。
国の資料を家族に見せる時も、表を切り取らずに使います。分母が分かる見出しや注記まで、一緒に残します。
別の資料の割合を見つけた時も、同じ順で読めます。まず分母を読む、という形を共通の物差しにします。
就労移行支援の就職率の資料はどこで探せますか?
国の案内から、事業所の公表情報を探せます。住所や事業所名を使って検索できます。

厚生労働省は、公的な検索の入口を案内しています。福祉医療機構が運営する情報検索です。
公表制度では、事業者がサービスの中身を報告します。その報告を、都道府県などが公表する仕組みです。
探す時は、通いたい場所の名前を手元に置きます。似た名前の別の事業所と、取り違えないためです。
公表情報を読む時のメモ
B-GO!の資料を照らす確認メモ
事業所名と住所
自分が通いたい場所と同じか
サービスの名前
就労移行支援の欄を読む
実績の時点と注記
割合の意味が読める部分を残す
検索の入口では、神奈川の住所や法人名を使えます。国の案内は、こうした情報から探す形を示しています。
開いたら、まず事業所名と住所を読みます。次に、見ているサービスの欄を読みます。
その後で、就職などの実績の説明を探します。数字が見つかったら、その近くの注記も残します。
公表ページを見た日と、実績の時点は分けて書きます。ページを新しく開いても、実績まで新しくなるわけではありません。
手元の案内と公表情報で、時点がちがうことも考えます。同じ時期の数字なのかを、先に照らしてください。
載っていない欄は、「資料で見つからない」と書きます。就職した人がいない、とは読み替えません。
事業所の案内にだけ実績がある時も、同じ読み方です。対象の範囲と分母が分かるかを、別に見ます。
資料がそろわない時は、質問文に変えて残せます。「この実績は、どの事業所のものですか」と書きます。
また、「分母に入るのは、どんな人ですか」と書けます。数字の読み方をそろえるための質問です。
答えを受け取ったら、出どころも一緒に残します。後から家族と読む時に、意味をたどり直せます。
就労移行支援の就職率と支援の中身はどう見ますか?
職場体験、仕事探し、就職後の相談を見ます。横浜市も、この支援の流れを案内しています。

横浜市の案内には、事業所内や企業での実習があります。自分に合った職場を探す支援もあります。2026年9月4日更新のページです。
国の説明にも、職場体験や求職の支援があります。自分に合う職場を開く支援もふくまれます。
そこで、実績と支援の説明を横に並べて読みます。就職した事実のほかに、そこまでの支援を見ます。
実績と重ねたい支援の流れ
横浜市の案内をもとに、見る所を整理
作業や実習
自分の得意なことや配慮を整理
職場探し
希望と合う仕事を考える
就職後の相談
働き続けるための支援を読む
見たいのは、会社の名前だけではありません。自分がしたい仕事に、どう近づくかも見ます。
事務の仕事を考えるなら、作業の説明を読みます。何を練習し、どんな困りごとを相談するかを書きます。
人とのやり取りが気になるなら、場面を分けます。報告する時や、助けを求める時のことをメモします。
通勤が気になるなら、朝の動きも書き出せます。自分が試したいことを、体験の質問に変えます。
こうした希望を、病名だけで決めることはしません。得意なことや困る場面を、自分の言葉で残します。
職場体験では、何を見て振り返るかも質問にできます。体験した事実を、次の仕事探しにどうつなぐかです。
実績の説明と、自分の希望が重なる所を探します。重ならない所も、候補を比べる欄に残します。
支援の説明が広い時は、場面を絞って読んでください。「困ったら相談」だけでなく、相談の流れを見ます。
就職後の話も、応募する前の比べ表に入れます。誰が企業と話すのかなどを、質問にできます。
見学で印象に残った点は、数字と別の欄に書きます。実績と自分の体験を、混ぜずに読み返すためです。
家族と比べる時も、まず本人の希望を真ん中に置きます。その希望に対して、資料で分かる支援を並べてください。
就労移行支援の就職率で通う期間も分かりますか?
いいえ、通う期間は原則2年です。国の事務処理要領にある標準の期間です。

就職率と、サービスを使える期間は別の決まりです。割合から、自分が通える期限を出すことはできません。
就労移行支援は、決まった期間に力をつける支援です。生産活動や職場体験などを通じて訓練します。
原則の2年とは別の期間もあります。あん摩マッサージ指圧師などの資格を取る目的です。その時は3年または5年です。国の事務処理要領に書かれています。
就職率と、通う間の見直しを分ける
期限の数字ではなく、支援の進み方も読む
通い始め
支援が合うかを見立てる
訓練と仕事探し
原則2年の中で進める
次の進路を考える
本人の希望といる支援を整理
標準の利用期間は、原則2年です。
通い始めの評価には、「暫定支給決定」があります。就労移行支援では、最長2か月です。2026年7月版の国の要領に書かれています。
これは、評価のための短い支給決定です。事業所が行う見学や体験とは分けて読みます。
実績を比べる時も、早さだけを目標にしません。自分が何を整えたいかを、支援の話に戻します。
仕事探しが進まない時は、困る場面を分けます。応募先の仕事なのか、通うペースなのかを書きます。
まだできていないことだけを並べる形にはしません。できるようになったことも、同じ紙に残せます。
そのうえで、今の支援をどう続けるかを話します。次に取り組むことを、本人の希望と重ねます。
働き方を整理する仕組みに、就労選択支援もあります。本人の希望や、いる配慮を整理する支援です。
就職率から、行き先を決めつけることはしません。自分が選ぶために、支援で分かったことを使います。
また、ほかのサービスの期間を混ぜないでください。B型の期間については、B型に通える年数で説明しています。
就労移行支援の就職率を地域でどう比べますか?
全国の事業所は、WAM NETで探せます。都道府県を選び、就労移行支援に絞ります。

まず、通える範囲から候補を出します。事業所の名前と住所を同じ紙に書きます。
自治体の一覧も、候補を探す入口になります。例えば川崎市は、日中活動系の一覧を載せています。
一覧と公表情報で、同じ事業所かを照らします。就職率は、分母と対象の時期も並べます。
全国で使える持ち帰りメモ
B-GO!の比べ方:数字と自分の希望を分けて残す
通う先の実績
事業所名・分母・時点・集計の範囲
希望する働き方
したい仕事・通い方・いる配慮
次に話すこと
数字の注記・体験したい場面・就職後の相談
数字の欄では、資料で分かったことだけを書きます。分からない点は、質問のまま残してください。
希望の欄では、自分がしたい仕事を書きます。避けたい場面や、伝えたい配慮も書けます。
体験の欄では、実際に試したい場面を書きます。案内だけでは分からない所を、見学の目的に変えます。
相談の相手も、役目で分けて考えます。事業所選びの話と、サービスを使う手続きは別です。
横浜市には、障害者就労支援センターがあります。仕事の相談から、職場での支援まで案内しています。
相談には、家族や支援者も同席できます。予約をして相談する流れです。2025年12月8日更新の案内です。
手続きの相談先は、区の福祉保健センターです。大人の相談は、高齢・障害支援課が基本です。横浜市の2025年11月13日更新の案内です。
川崎市の一覧の担当は、障害者施設指導課です。一覧についての問い合わせ先として載っています。
家族と話す時は、実績の欄から結論を急ぎません。本人の希望と、資料で分かった支援を重ねます。
就職率は、候補を比べる材料として使えます。分母と時点をそろえ、支援の中身まで読んでください。
出典
- 障害者総合支援法 第5条第13項・第14項 |デジタル庁 e-Gov法令検索
- 障害者総合支援法施行規則 第6条の8 |デジタル庁 e-Gov法令検索
- 障害福祉サービスの内容 |厚生労働省
- 介護給付費等に係る支給決定事務等について |厚生労働省
- 就労系サービスに係る報酬・基準について≪論点等≫ |厚生労働省
- 令和7年度ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況など |厚生労働省
- 就労移行支援事業 |横浜市
- 障害者就労施設等情報 |厚生労働省
- 障害福祉サービス等情報公表制度 |厚生労働省
- 障害のある方の「働く」を相談する |横浜市
- 障害福祉サービス事業所 |川崎市
- 障害福祉サービスの利用手続きについて |横浜市
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