就労移行支援とリワークの違いは?再就職と復職で選ぶ道

就労移行支援は、就職に向けた訓練などを行う障害福祉サービスです。
新しい仕事を探すか、今の会社へ戻るか。まだ気持ちが決まらない人もいるでしょう。まずは、支援の名前と目指す先を分けてみます。
この記事では、目的と対象、通う場所を比べます。そのうえで、休職中に使う時の条件を見ます。相談で伝えるためのメモも用意しました。
就労移行支援とリワークの違いは何ですか?
主な違いは、就職を目指すか、今の職場への復職を目指すかです。

就労移行支援では、働くための力をつけます。仕事の体験や、自分に合う職場探しも行います。就職した後の支えも、国の説明に入っています。
一方、リワークは復職に向けた支援です。休職している人が、今の職場へ戻る準備をします。厚生労働省の「こころの耳」も、そう説明しています。
ただ、この説明だけでは分かりにくい所があります。就労移行支援は、制度で決まったサービス名です。リワークは、復職のための取り組みを指す言葉です。
つまり、同じ種類の名前を比べているのではありません。リワークを行う場所には、医療機関もあります。障害福祉の制度を使う取り組みもあります。
目指す先と、名前の意味を比べる
B-GO!の比べ表:就職支援と復職支援
| 比べる所 | 就労移行支援 | リワーク |
|---|---|---|
| 主な目的 | 就労移行支援 主な目的会社などへの就職 | リワーク 主な目的今の職場への復職 |
| 名前の意味 | 就労移行支援 名前の意味障害福祉サービスの名前 | リワーク 名前の意味復職を支える取り組み |
| 重なる所 | 就労移行支援 重なる所条件により復職も支える | リワーク 重なる所障害福祉で行うものもある |
そのため、名前だけで行き先を決めない方が整理できます。今の会社へ戻る準備なのか。別の会社へ就職する準備なのか。まず、その問いから考えてみてください。
休職中でも、就労移行支援で復職を支える道があります。国は、会社や主治医の考えなどに条件を設けています。
「移行は退職した人だけ」と分けるのも違います。次の章から、本人の状況と支援の仕組みを見ていきます。
就労移行支援とリワークは対象者も違いますか?
就労移行支援は就職したい人、リワークは休職中の人が中心です。

就労移行支援は、会社などで働きたい障害のある人を支えます。働くための力をつけ、就職へ進むためのサービスです。
国の説明では、原則65歳未満の人が対象です。例外となる人の条件もあります。厚生労働省の説明を基にしています。
リワークは、休職した人の職場復帰を目指します。ただし、使える人の条件は、行う機関で違います。職業センターの条件を、医療にも広げないでください。
地域障害者職業センターの案内では、休職中の人を支えます。退職した人には、就職のための別の支援を案内しています。
目指す先から、相談の入口を分ける
今の会社との関係を、言葉にするための分かれ道
今の会社へ戻るための支援を探していますか?
復職の支援を探す
主治医と会社の考えを整理する
就職の支援を探す
新しい職場で働くための準備へ
迷っている時は、その気持ちも相談で伝える。
職業センターのリワークには、雇用保険に関わる条件もあります。茨城障害者職業センターは、公務員は対象外と案内しています。
これは、その仕組みのリワークについての説明です。リワーク全体を使えないという意味ではありません。医療機関や職場で行う取り組みもあります。
支援を探す時は、在職中か、すでに退職したかを伝えます。続いて、戻りたい職場があるかを話します。この順なら、同じ言葉の取り違えを減らせます。
どちらかに、すぐ決めるための分け方ではありません。相談で伝える内容を、整理するために使ってください。
就労移行支援とリワークはどこで受けますか?
就労移行支援は事業所で、リワークは医療機関などでも受けます。

就労移行支援は、障害福祉サービスの仕組みで行います。横浜市は、事業所での作業や企業での実習を案内しています。自分に合う職場探しも、支援の中に入ります。
リワークは、医療機関だけのものではありません。「こころの耳」は、職業センターでの取り組みも挙げています。障害福祉の制度や、職場で行うものもあります。
医療機関で行うものは、治療の視点で復職を支えます。公的な例として、埼玉県の復職支援コースがあります。精神科デイケアとして、プログラムを行っています。
神奈川障害者職業センターも、リワークを行っています。主治医と連携し、会社との調整などを進めます。希望する人には、予約してガイダンスを受ける流れがあります。
同じリワークでも、行う場所が違う
場所の名前と、支援の土台を並べた早見表
| 支援を行う場所 | 案内を読む時の目印 |
|---|---|
| 就労移行支援の事業所 | 障害福祉サービスとしての支援 就職の準備。条件により復職も支える。 |
| 医療機関 | 治療の視点からの復職支援 精神科デイケアなどで行う例がある。 |
| 地域障害者職業センター | 本人と会社を支える職業面の支援 主治医と連携し、職場との調整を進める。 |
| 勤めている会社 | 職場で行う復職への取り組み 会社の復職の仕組みと照らして進める。 |
比べる時は、建物や通いやすさだけでは分かりません。医療として通うのか、福祉のサービスとして通うのか。職業面の支援なのかも、分けて読んでみます。
ホームページにリワークとあっても、仕組みは同じとは限りません。サービスの正式な名前まで見ると、話を整理できます。
今の主治医との連絡を、どう進めるかも比べる所です。支援の場所と、通院している場所を並べてメモできます。
就労移行支援とリワークの支援内容はどう違いますか?
就職先を探す支援と、今の職場へ戻るための調整に違いがあります。

就労移行支援では、作業や実習で働く力をつけます。そのうえで、自分に合う仕事や職場を探します。横浜市は、就職後に職場へなじむための支えも案内しています。
リワークでは、戻る職場を見ながら準備を進めます。神奈川の案内では、生活リズムを整える取り組みがあります。疲れへの対処や、人とのやり取りの練習もあります。
同センターは、会社の担当者との相談も行います。戻った後の仕事や、職場の環境への助言もあります。本人だけで練習する支援ではないと分かります。
医療のリワークにも、作業や話し合いの場があります。埼玉県の例では、集団での活動と自分の課題に取り組みます。体力や集中する力を見ながら、復職の準備を進めます。
支援内容は、目指す働き方につなげて見る
本人の練習と、職場への働きかけを分ける
自分が目指す働き方
仕事とのつながり
作業・実習・自分に合う職場探し
自分の状態
生活リズム・疲れ・ストレスへの対処
職場との連携
仕事の内容や、職場の環境を話し合う
パソコンの作業があるかだけでは、違いは見えません。その作業を、何の準備として行うかに目を向けます。就職先を探すためか、今の仕事へ戻るためかという違いです。
たとえば、集中できるかが気になる人もいるでしょう。相談では、作業の内容と困る場面を分けて話せます。疲れが出ることや、休み方への迷いも伝えられます。
プログラムの名前を集めるより、困っている場面を書きます。その場面に、どんな支えがつながるかを比べる材料になります。
休職中も就労移行支援でリワークを受けられますか?
はい、会社や主治医の考えなど、国の条件に合う時に使えます。

休職中だから、すべての人が対象になるわけではありません。国は、ほかの復職支援の状況も見るとしています。本人が復職を望んでいることも条件です。
会社や地域の支援機関で、復職支援がむずかしいこと。医療機関でも、支援が見込めないかむずかしいこと。まず、このような状況があるかを見ます。
さらに、会社と休職の診断をした主治医の考えを見ます。福祉サービスで支え、復職するのがよいと考えていることです。市町村も、その支援が復職につながるかを見て決めます。
休職中に福祉の支援を使う時の整理
希望、関係者の考え、地域の支援をつなぐ
復職の希望を伝える
本人が、今の職場へ戻ることを望んでいる
支援の状況を整理する
会社・主治医・相談支援の資料をそろえる
市町村が決める
条件と、復職へつながる支援かを見て決める
申し込みでは、会社が用意する資料があります。主治医が用意する資料もあります。相談支援事業所などは、地域の支援の状況を資料にします。
会社からの資料では、会社での支援がむずかしいことを示します。主治医からの資料も、医療での支援の状況などを示します。福祉の支援で復職を目指す考えも、それぞれに記します。
自分で計画を作る人には、別の資料の扱いもあります。国の説明では、その時も市町村が地域の状況を調べます。事業所と話すだけで、手続きが終わる仕組みではありません。
横浜市では、サービスを使う前に区の担当課へ相談します。その後、申し込みなどの手続きを進めます。就労移行支援を希望する時も、この入口を使います。
相談では、会社と主治医に何を伝えているかも話せます。まだ話していないことは、そのままメモに残しておけます。
就労移行支援とリワークは期間も違いますか?
就労移行支援は原則2年で、リワークは行う仕組みで違います。

就労移行支援の標準の期間は、原則2年です。厚生労働省の制度資料でも示されています。
復職支援型は、会社の休職期間が終わるまでです。利用の上限は2年です。一般の就職準備の標準期間とは分けて考えます。
リワークという名前だけでは、通う長さは分かりません。医療機関や職業センターなど、行う場所が違うためです。予定を立てる時は、正式なサービス名も並べます。
予定表では、別の期限を分けて見る
支援の期間と、会社の休職の期限を混ぜない
支援を始める前
体調と、目指す働き方を話す
通って準備する
支援の計画に沿って、状況を振り返る
就職・復職へ
職場との調整や、その後の支えにつなぐ
就労移行支援は原則2年。休職の期限は会社の決まりで見る。
休職中の人は、通う予定だけで表を埋めないようにします。会社へ出す書類や、面談の予定も同じ紙に書けます。主治医に話すことも、横に置いておけます。
期間について話す時は、使い始めた時の書類も手元に置きます。まだ使っていない人は、今考えている予定を持って相談できます。
就労移行支援とリワークは費用も違いますか?
はい、福祉サービスの費用と、医療の診療費では仕組みが違います。

就労移行支援では、障害福祉の利用者負担を見ます。厚生労働省は、その費用の仕組みを案内しています。サービスの名前と、費用の欄を合わせて読んでください。
医療のリワークでは、診療費がかかる例があります。埼玉県の復職支援コースは、精神科デイケアです。健康保険を使うと、県のページで案内しています。
同じ案内には、自立支援医療を使う時の説明もあります。福祉サービスの費用とは、分けて読める所です。リワークという名前だけで、払う額を比べないでください。
費用は、どの仕組みで払うかを分ける
金額を並べる前に使う、費用の比べ表
| 見る所 | 就労移行支援 | 医療リワークの例 |
|---|---|---|
| 費用の土台 | 就労移行支援 費用の土台障害福祉サービス | 医療リワークの例 費用の土台精神科デイケアの診療 |
| 読む案内 | 就労移行支援 読む案内福祉の利用者負担 | 医療リワークの例 読む案内保険と医療費の支え |
| 分けて書くもの | 就労移行支援 分けて書くもの通うためのお金 | 医療リワークの例 分けて書くもの通うためのお金 |
費用のメモでは、支援そのもののお金を先に書きます。その横に、電車やバスで通うためのお金を書けます。昼食をどうするかも、別の欄で考えられます。
こうして分けると、何についての金額かを見失いません。支援の費用と、通うための出費を分けたまま比べられます。自分の家計で気になる所も、説明しやすくなります。
職業センターなどの案内を読む時も、行う機関をそろえます。医療機関の診療費を、別の機関の費用として読まないためです。
相談に持っていく紙には、通院先と通いたい場所を書けます。受けている医療や、使っている支援の名前も添えられます。名前が分からないものは、手元の書類を見ながら話せます。
費用だけで決めきれない時は、目的の欄へ戻ります。就職の準備か、復職の準備かを並べて考えてください。
就労移行支援とリワークから復職する流れはどう違いますか?
復職では、支援での様子に加え、主治医と会社の考えを合わせます。

新しい職場へ就職する時は、職場探しなどを進めます。就労移行支援は、実習や就職後の支えも行います。横浜市の案内は、その流れに沿った内容です。
今の職場へ戻る時は、会社の復職の流れも関わります。厚生労働省の手引きは、主治医との連携を示しています。職場で働けるかを見て、復職のプランを作ります。
主治医が見る体調と、会社で求められる仕事をつなぎます。会社には、仕事の内容や職場の状況があります。そのため、医療の話だけでなく、働く場面の話もそろえます。
復職では、練習の先に職場との調整がある
支援を終えることと、職場へ戻ることを分ける
主治医と状況を整理
体調と、働くことについての意見をそろえる
復職のプランを作る
仕事や、職場での配慮を話し合う
会社が復職を決める
戻った後も、様子を見ながら支える
手引きでは、会社が最終的な復職を決める流れです。リワークへ通うことと、会社が復職を決めることは別です。会社の担当者との話し合いも、その流れに入ります。
神奈川のリワークには、会社との調整が含まれています。仕事の内容や職場の環境について、提案や助言を行います。自分が受けた支援を、職場へつなぐ場面です。
相談の前には、戻った後の仕事で気になることを書けます。何を頼まれると困るのか。どんな伝え方なら分かりやすいのか。自分の言葉で、場面を挙げておけます。
支援でできたことも、同じ紙に書いておけます。できないことだけの説明にせず、今の状態を伝える材料になります。
また、誰に何を伝えるかも、支援者と話せます。医療の情報をすべて並べるより、職場での配慮につなげて考えます。国の手引きも、本人への説明と同意を重んじています。
就労移行支援とリワークの相談先はどこですか?
全国共通の入口は、住んでいる市区町村の障害福祉窓口です。地域障害者職業センターでも相談できます。医療のリワークは、通院先の主治医へ相談します。以下は自治体の窓口名を調べる例です。

福祉の申し込み先と、職業センターのリワーク窓口を分けます。
横浜市で就労移行支援を考える人は、区の担当課が入口です。大人の相談先は、福祉保健センターの高齢・障害支援課です。市の手続きの案内に、申し込みの流れが載っています。
横浜市の就労移行支援のページには、事業所一覧への入口もあります。作業や実習、職場探しなどの支援内容も読めます。市の案内と事業所の情報を、並べて読む時に使えます。
川崎市では、住んでいる区役所の高齢・障害課が相談先です。市の一覧には、各区の担当が載っています。自分が住んでいる区の欄から探せます。
相模原市の中央区では、中央高齢・障害者相談課があります。障害に関する相談や、福祉の申し込みを受けています。担当する班も、市の窓口案内に載っています。
神奈川で、目的に合う入口を探す
B-GO!の地域メモ:福祉の窓口とリワーク支援室
| 地域・支援 | 相談先の名前 |
|---|---|
| 横浜市の障害福祉 | 各区の高齢・障害支援課 福祉保健センターで、使う前の相談をする。 |
| 川崎市の障害福祉 | 各区役所の高齢・障害課 住んでいる区の窓口で相談する。 |
| 相模原市中央区の障害福祉 | 中央高齢・障害者相談課 障害の相談や、福祉の申し込みを受ける。 |
| 職業センターのリワーク | 神奈川障害者職業センターの支援室 相模大野のリワーク支援室。事前に予約する。 |
神奈川障害者職業センターには、リワーク支援室があります。場所は、相模原市南区の相模大野です。希望する人は、予約してガイダンスへ進みます。
自治体の福祉の窓口と、センターの予約先は別です。福祉のサービスを申し込む話なのか。センターの復職支援を知りたいのか。連絡の初めに伝えると、話を分けられます。
相談先を探す時は、まず住んでいる地域を書きます。その次に、在職中かどうかを添えます。今の会社へ戻りたいかも、同じメモで伝えられます。
就労移行支援とリワークで迷う時は何を伝えますか?
今の会社との関係、働きたい先、主治医と会社の考えを伝えます。

最初から、使うサービス名を決めておくことはありません。今の状況と、望んでいる働き方を分けて話せます。B-GO!の確認メモは、そのためのものです。
まず、在職中か、退職しているかを書きます。休職している人は、今の会社へ戻りたいかも添えます。まだ気持ちが揺れているなら、そのまま書けます。
続いて、どんな支えを求めているかを言葉にします。仕事を探す手助けがほしいのか。今の仕事へ戻る準備をしたいのか。困る場面から書き始めてもかまいません。
相談へ持っていく、働き方の確認メモ
B-GO!の確認メモ:名前より先に伝えたいこと
今の会社との関係
在職中か、退職したか。戻りたい職場はあるか。
望んでいる支え
職場探し、作業の練習、今の仕事への戻り方。
話している相手と内容
主治医や会社に伝えたこと。まだ話していないこと。
休職中の人は、会社と主治医がどう考えているかも整理します。就労移行支援で復職を目指す時は、その考えが条件に関わります。本人の希望と、周りの考えを分けて書けます。
まだ意見を聞いていないなら、空けておいてかまいません。自分で会社や主治医の考えを埋めるのではなく、相談の材料にします。
退職して新しい仕事を探す人は、職場探しの支援に目を向けます。就労移行支援には、実習や自分に合う職場探しがあります。働きたい仕事がまだ決まらないことも、相談で話せます。
就労移行支援とリワークは、どちらが上という関係ではありません。目指す先と、支援を行う仕組みが違います。名前より先に、自分が望む働き方から整理してみてください。
出典
- 障害福祉サービスの内容|厚生労働省
- リワーク:用語解説|厚生労働省「こころの耳」
- 神奈川障害者職業センター:事業主の方へのサービス|高齢・障害・求職者雇用支援機構
- リワーク支援プログラム受講案内|神奈川障害者職業センター
- 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き|厚生労働省
- 就労系障害福祉サービスの一時的な利用に関する説明資料|厚生労働省
- 障害福祉サービスの利用手続きについて|横浜市
- 就労移行支援事業|横浜市
- 障害福祉分野に関する主な問合せ先一覧|川崎市
- 中央区内の問い合わせ窓口|相模原市
- 復職支援コース(リワーク)|埼玉県
- リワーク支援FAQ|茨城障害者職業センター
- 障害者の利用者負担|厚生労働省
