就労移行支援で高次脳機能障害の困りごとをどう支える?

就労移行支援で高次脳機能障害の困りごとをどう支える?

就労移行支援は、会社で働くための力をつける支援です。

記憶や注意の困りごとに合わせ、働き方を考えます。
メモや手順書など、職場で使える工夫を試します。
就職先と、働き続けるための配慮を整理します。

仕事を覚えにくい時も、支え方から考えられます。作業を分けることも、手順を見える形にすることもできます。国の資料には、こうした職場の配慮が載っています。

この記事では、就職準備と職場の工夫をつなげます。本人の希望を真ん中に置き、家族が伝えることも整理します。

高次脳機能障害の就労移行支援では何をしますか?

作業や職場体験を通じ、働く力と合う環境を整えます。

就労移行支援は、仕事の紹介だけをする場ではありません。国の説明には、働くための訓練が含まれます。求職への支えや、職場探しへの支えもあります。

高次脳機能障害では、記憶や注意に困ることがあります。段取りを考えることが、むずかしい人もいます。外からは、その困りごとが伝わりにくい障害です。

そこで、作業の出来だけで終わらせない見方がいります。何を見れば進められたかも書き残します。声のかけ方で変わったことも、相談の材料になります。

就職準備をつなぐ支え

治療・準備・職場を切り離さずに考える

医療

体調と症状

主治医などの見方を伝える

準備

作業と工夫

支えがある時の進め方を探る

職場

仕事と配慮

職場で使う形にまとめる

本人が希望する仕事も、早めに言葉にしておけます。前の仕事で好きだった作業も手がかりです。昔の役職より、実際にしていた作業を伝えると話せます。

たとえば、入力と電話を分けて書きます。どちらに困り、どちらは進めやすいかを分けます。「事務ができるか」より、具体的な話になります。

働き方を考える時は、できないことだけを集めません。手順書があると進めやすい作業も残します。就職先へ伝えるメモにも、その条件を書いておけます。

高次脳機能障害で就労移行支援を使えるのは誰ですか?

会社で働くことを望み、就職への支えがいる人です。

病名だけで、使うかどうかは決まりません。国の説明では、訓練などで就職が見込まれる人が対象です。使えるかは、市町村が支給決定で決めます。

年齢は、原則65歳未満です。65歳以上は、以前の利用などの条件があります。65歳の前日までの利用状況も判断に関わります。

手帳が手元にない時も、書類を整理する道があります。国の要領は、精神障害の対象を確かめる書類を示します。医師の診断書なども含まれます。2026年7月版の説明です。

手元の書類から準備する

手帳の有無と、相談を始める準備を分ける

手帳が手元にありますか?

はい

手帳を整理する

今の困りごとも書き添える

いいえ

診断書などを整理する

市町村へ伝える書類を探す

どちらも、市町村の支給決定につなげます。

診断書があれば使える、と自分で決める話ではありません。書類で障害の状態を確かめることと、支給決定は別です。希望する支援も、市町村へ伝えます。

相談前のメモには、今困る作業を書けます。「説明を聞いた後に、手順が抜ける」などです。病名の説明だけより、支えてほしい場面が伝わります。

家族が付き添う時は、本人の希望も分けて残します。家族が心配する点と、本人が試したい仕事です。意見が違う所も、そのまま相談の材料にできます。

高次脳機能障害の就労移行支援では何を見立てますか?

記憶、注意、段取りなどを、実際の場面で整理します。

高次脳機能障害には、さまざまな困りごとがあります。新しいことを覚えにくい人もいます。作業の順を決めにくい人もいます。

本人が、変化に気づきにくいこともあります。会話ができることだけでは、仕事の困りごとは分かりません。国の資料にも、こうした特徴が載っています。

見立てでは、作業の名前も具体的に残せます。指示を聞く時か、始める時かを分けます。途中で止まったのか、終わりが分からなかったのかも書けます。

困りごとを作業の言葉にする

B-GO!の早見表:症状名から場面へ

困りごと作業で見る場面試す工夫
記憶作業で見る場面
聞いた内容が残るか
試す工夫
メモと手順書
注意作業で見る場面
音や割りこみのある時
試す工夫
作業と指示を分ける
段取り作業で見る場面
始める順と終わり方
試す工夫
順番を見える形にする

同じ作業でも、やり方を変えて比べられます。口で説明した時と、手順を見せた時です。支えがある時の様子も、見立てに残すと使えます。

速さだけで比べると、工夫が見えにくくなります。見直しをすると間違いに気づけたかも残します。助けを求められた場面も、メモに加えられます。

検査の紙がある時は、実際の作業と並べて話せます。紙に書かれた言葉と、本人の実感をつなぎます。分からない用語は、日ごろの場面に置き換えて聞けます。

高次脳機能障害の就労移行支援で記憶をどう支えますか?

メモや手順書を使い、見返しながら進める形を作ります。

国の資料には、メモやアラームを使う工夫があります。作業の段取りを、目につく所に出す方法もあります。覚える力だけに頼らない形を考えられます。

国の資料は、写真や図で手順を示す配慮を挙げています。文字だけでは分かりにくい時の工夫です。本人が使いやすい形を、作業の中で試せます。

ただ、メモを渡すだけで終わらせない見方もできます。読む場所や、取り出す場面まで書いておきます。本人が探せる形かどうかを、作業と合わせて見ます。

メモを仕事の道具にする

書いた後の使い方までつなげる

書く

短く残す

作業の順や気をつける点

見る

作業前に開く

置き場所と開く場面も決める

伝える

使えた形を残す

職場にも同じ道具を伝える

見学や体験では、メモを使う場面を見せてもらえます。文字が多い紙か、写真を中心にした紙かも見ます。持ち歩く形と、机に置く形も比べる材料です。

新しい指示が出た時の書き直し方も考えられます。古い指示を残すか、差し替えるかを話します。本人が、今見る紙を迷わない形を目指します。

家では、事業所で使った紙を見ながら話せます。「今日は何をした」と思い出す問いだけにしません。「この紙は使いやすかったか」も聞く形にできます。

高次脳機能障害の就労移行支援で注意をどう支えますか?

作業を順に伝え、見直しの道具や周りの環境を整えます。

注意の困りごとには、集中が続かないことがあります。同時に別のことをすると、混乱することもあります。国の解説は、順番に進める工夫を示しています。

国の資料では、業務の指示を一つずつ出します。仕事内容をメモにする方法も挙げています。指示の出し方も、配慮の対象です。

体験で見る時は、間違いの数だけを集めません。近くで話し声がしたかも残せます。別の仕事を頼まれた場面も、比べる材料になります。

作業の渡し方を比べる

B-GO!の比べ表:本人だけでなく渡し方も見る

見る所まとめて渡す形分けて渡す形
仕事の指示まとめて渡す形
別の仕事も同時に頼む
分けて渡す形
終わりを伝えてから次へ
見直しまとめて渡す形
口で気をつける点を伝える
分けて渡す形
チェック表で見返す

本人のメモには、戻りやすさも書けます。話しかけられた後、どこから再開したかです。途中の場所を示す印が使えたかも残します。

見落としが気になる時は、見る範囲も話せます。机の上や、作業用の画面のどこかです。「もっと気をつける」以外の伝え方を考えられます。

安全に関わる困りごとは、早めに伝える項目です。国の資料には、周りの物への注意の困難も載ります。作業場所の配置を含めて考える話です。

高次脳機能障害の就労移行支援で段取りや対人面をどう支えますか?

段取りは見える形にし、気持ちが高ぶる時は場を変えます。

自分で作業の順を考えにくいことがあります。始める時や、優先する仕事を決める時に困ります。国の解説では、手順書や予定表を使います。

対人面では、気持ちを抑えにくいこともあります。こだわりや、気持ちの切り替えに困る人もいます。これらも、高次脳機能障害の説明に含まれます。

準備のメモでは、出来事を順に書けます。どの言葉を聞き、何に困ったのかです。「人とうまくいかない」だけにまとめない書き方です。

決めつける前に見る所

行動の後ろにある困りごとを整理する

見えた行動確かめること
作業を始められない確かめること
始める順と、終わりが見えているか
予定の変更で困る確かめること
変わる所を、見える形で伝えたか
気持ちが高ぶる確かめること
話題や場所を変えられるか

予定表を作る時は、作業名だけでなく終わりも書けます。終えた後に、誰へ伝えるかも加えられます。困った時の行き先まで、紙で見える形にできます。

変更を伝える場面も、体験で見る項目です。急に別の作業になった時の様子を残します。何を先に知ると落ち着いて動けたかを話せます。

本人と家族の受け止めが違う時もあります。どちらが正しいかを急いで決めなくて大丈夫です。それぞれが見た場面を、支援者へ別々に渡せます。

高次脳機能障害の就労移行支援で疲れやすさをどう見ますか?

作業の変化と休み方を見ながら、負担を整理します。

国の訓練資料は、作業中の速さや正確さを見ています。疲れに自分で気づきにくい時もあると説明します。休みを入れるタイミングも、検討する項目です。

疲れの出方は、本人の様子と合わせて整理します。作業量や休み方も、比べる材料です。疲れた時の変化を、短く残しておけます。

自分のメモには、疲れたという言葉以外も残せます。読んだ所が分からなくなった場面などです。いつもの作業との違いを、支援者と話す材料にします。

作業の前後をつなげて見る

B-GO!のメモ:終わった後の負担も書き残す

前

始める前

体調と移動の負担を書く

中

作業の途中

変化と休んだ場面を書く

後

終わった後

帰ってからの様子も話す

通う準備では、行き帰りもメモに加えられます。事業所の中で過ごせたかだけに絞りません。帰宅後に困ったことも、本人の希望と並べて伝えます。

休む場所も、比べる材料にできます。話し声から離れられるかを見ます。休みたいと伝える方法も、担当者と決めておけます。

作業の量を増やす話は、メモを見ながら進められます。本人の意欲と、実際の負担を並べます。「通えたから増やす」だけで決めないための材料です。

高次脳機能障害の就労移行支援は何で比べますか?

手順書、休む環境、職場へ伝える支援で比べられます。

事業所の説明では、訓練の名前が多く並びます。パソコンがあることだけでは、支え方は分かりません。自分が困る場面に、どう応じるかを分けて見ます。

記憶に困るなら、使う手順書の形が比べる材料です。注意に困るなら、指示の渡し方を見ます。疲れが気になるなら、休む場所も候補になります。

国の資料には、業務の相談担当を決める配慮があります。指示を一つずつ出す方法も挙げています。誰に相談できるかも、見る所です。

事業所を比べるメモ

B-GO!の確認メモ:説明より実際の道具を見る

  • 作業を支える道具

    手順書やチェック表の形

  • 疲れた時の過ごし方

    休む場所と伝える方法

  • 職場への引き継ぎ

    使えた工夫を誰へ渡すか

見学で使う問いは、自分の場面から作れます。「口で聞いた指示を忘れる時はどうしますか」です。「高次脳機能障害に対応できますか」より具体的です。

体験後のメモには、合った点と困った点を分けます。説明を聞き返せたかも書けます。道具があっても、使い方が分からなかった点は残せます。

本人が、また通いたいと感じた理由も残します。通いにくいと感じた理由も同じように書けます。家族の印象だけで、本人の実感を置き換えません。

高次脳機能障害の就労移行支援はどう始めますか?

市町村への相談と申請を経て、支給決定につなげます。

利用の相談は、住む市町村の障害福祉窓口から始めます。希望する仕事と、困る場面をメモにします。医療や支援の担当者も一緒に整理できます。

相談では、就職したい気持ちと困る場面を伝えます。候補の事業所があるなら、その名前も書けます。通うために気になる点も、メモにまとめられます。

就労移行支援の期間は、原則2年間です。国の事務処理要領にも示されています。使う期間を見ながら、準備の内容を考えます。

使い始めるための道筋

市町村の手続きと、支援内容の相談をつなぐ

相談

希望を伝える

仕事と生活の困りごとを整理

申請

市町村へ申し込む

書類と支援の計画を整える

決定

支援につなげる

支給決定と事業所での手続き

就労移行支援には、評価のための暫定支給決定があります。暫定の期間は、2か月以内です。2026年7月版の国の要領に書かれています。

事業所が行う見学や体験とは、別の仕組みです。何のために作業を試すのかを分けて考えます。受給者証に書かれた期間も、手元で見返せます。

高次脳機能障害の就労移行支援とほかの支援はどう違いますか?

移行は就職準備、選択は働き方の整理、B型は働く場です。

就労移行支援は、会社で働くための準備を進めます。作業や職場体験を通じて力をつけます。就職に向けた活動も、支援の中に含まれます。

就労選択支援は、働き方を選ぶ材料を整理します。作業などを通じ、希望や配慮を確かめる支援です。行き先を本人が考えるための仕組みです。

B型は、雇用契約にもとづく仕事がむずかしい人の支援です。働く機会や、生産活動の場を用意します。会社で働くための準備だけをする場ではありません。

支援の役目を比べる

病名ではなく、今したいことから考える

支援主な役目
就労移行支援主な役目
会社で働くための準備と就職への支え
就労選択支援主な役目
希望や配慮を整理し、働き方を選ぶ
就労継続支援B型主な役目
雇用契約を結ばずに働く機会を得る

比べる時は、今したいことを言葉にしておけます。会社で働く準備を進めたいのかです。働き方から整理したいのかも、相談の材料になります。

新しく就労移行支援を使いたい人も選択支援を使えます。本人の希望に応じて使う扱いです。2025年9月30日改正の通知に書かれています。

通う場所の名前だけで、順番を決めなくて大丈夫です。本人の希望と、今いる支えを並べて考えます。B型の仕組みは、就労継続支援B型とはで説明しています。

高次脳機能障害の就労移行支援はどこに相談しますか?

専門の相談は地域の拠点へ、利用の申請は市町村へつなぎます。

国の情報センターは、全国の相談窓口を案内しています。住む都道府県から、地域の相談先を探せます。本人や家族の困りごとを、相談につなげる入口です。

医療と仕事の相談が別々でも、窓口を整理できます。病院で受けた説明と、働く希望を同じ紙に書きます。次に相談する担当へ渡す材料になります。

使い始める手続きは、住む市町村の担当へ伝えます。専門の相談を受けたことも、メモに加えられます。誰と何を話したかを残すと、引き継ぐ材料になります。

全国で相談先を探す

専門の相談と、サービスの手続きをつなぐ

地域の専門相談

都道府県の相談窓口

市町村の手続き

住む市町村の障害福祉窓口

相談に持つメモ

仕事の希望と困る場面
医療や支援の相談先

市町村へは、就労移行支援を使いたいと伝えます。支給決定に必要な書類を、窓口で整理します。専門の相談先と、手続きの窓口を分けて考えます。

相談で話す内容は、病名だけに絞らなくて大丈夫です。通勤の不安や、仕事の指示で困ることも書けます。家での様子と、仕事の希望を同じ紙に並べられます。

家族が先に相談するなら、本人の希望も添えられます。本人が話しにくい所と、家族が知りたい所を分けます。次に誰と話すかを、メモに残して持ち帰れます。

高次脳機能障害の就労移行支援で職場へ何を伝えますか?

使えた工夫、指示の受け方、疲れた時の配慮を伝えます。

国の資料には、面接への支援者の同席があります。伝えたい配慮を、事前に支援者と整理できます。使えた道具も、説明の材料にできます。

伝える内容は、病名の説明だけにしなくて大丈夫です。どの作業で、何があると進めやすいかを書けます。就労移行支援で使った手順書も、話す材料になります。

たとえば「忘れやすい」だけでは、支え方が残りません。「作業前に手順書を見る」と続けて書けます。「指示の後に内容を言い返す」なども候補になります。

職場へ持っていくメモ

B-GO!の持ち帰りメモ:困りごとと工夫を組にする

  • 作業を支える工夫

    使えた手順書と、指示の受け方

  • 疲れた時の対応

    気づいた変化と、休む伝え方

  • 相談する相手

    職場の担当と、支援者の役目

職場で誰に説明するかも、本人の希望と合わせて考えます。国の事例集は、私生活への配慮にも触れています。上司や同僚に、何を伝えるかを分ける話です。

家族のメモは、本人の言葉を補う形にできます。帰宅後に見た様子は、家族が見たこととして残します。本人が感じたことと混ぜずに渡す書き方です。

就職後の相談も、準備の中で話しておけます。就労移行支援には、職場定着への支えも含まれます。困った時の相手を、就職前から整理できます。

最初に書くのは、希望する仕事と困る場面です。次に、試したい工夫を横に添えます。そのメモを使い、本人の働き方を支援者と考えられます。

出典

  1. 障害者総合支援法|デジタル庁 e-Gov法令検索
  2. 障害者総合支援法施行規則|デジタル庁 e-Gov法令検索
  3. 障害福祉サービスの内容|厚生労働省
  4. 就労選択支援の実施について|厚生労働省
  5. 障害福祉サービス等の円滑な実施のための基本指針|こども家庭庁・厚生労働省
  6. 障害者の就労支援対策の状況|厚生労働省
  7. 介護給付費等に係る支給決定事務等について|厚生労働省
  8. 精神障害の特性・高次脳機能障害の解説|厚生労働省
  9. 合理的配慮の具体例(指針別表の事例)|厚生労働省
  10. 障害者職業訓練を行うにあたって知っておきたい障害特性と配慮事項|厚生労働省掲載
  11. 高次脳機能障害相談窓口|国立障害者リハビリテーションセンター
  12. 障害福祉サービスの利用手続きについて|横浜市
  13. 高次脳機能障害に関するよくあるご質問|国立障害者リハビリテーションセンター
  14. 身体障害、高次脳機能障害のある方への就労移行支援|国立障害者リハビリテーションセンター

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