就労定着支援 家族はどこまで関わる?本人の同意と連絡の進め方

就労定着支援は、就職後の仕事と暮らしを支える障害福祉サービスです。
就職できても、家での心配が消えるとは限りません。帰宅後に疲れて話せないことも気になります。家族が会社へ伝えるべきか、迷うこともあるでしょう。
就労定着支援では、家族も相談の相手に入ります。本人の暮らしを支えるための相談です。家で困っていることから話を始められます。
この記事では、本人の同意を出発点にします。家で見えたことの伝え方もまとめます。相談に持っていけるメモも用意しました。
就労定着支援で家族は何を相談できますか?
家族も、就職に伴う暮らしの悩みを相談できます。

国の基準には、本人や家族への相談支援があります。対象は、働き始めたことで生じる暮らしの問題です。支援事業所は、会社や医療機関とも連絡を取ります。
たとえば、帰宅後の疲れを相談の入口にできます。朝の支度や、食事の変化を話す方法もあります。家での様子を、仕事と切り離さずに伝える形です。
相談する時は、本人の困りごとから話を始めます。「仕事を続けたいが、帰ると何もできない」などです。そのうえで、家族が困っていることを添えます。
本人を中心に、支える役目を分ける
家の様子と職場の様子をつなぐ関係図
家族
家で見えたことを伝える
本人
希望と困りごとを話す
支援事業所
会社や関係先とつなぐ
家族が、職場の問題まで引き受ける形にしません。
家族からの相談と、本人の情報を聞くことは別です。支援者には、本人や家族の秘密を守る決まりがあります。相談できることと、情報を受け取れる範囲を分けます。
「家での接し方を相談したい」と伝える方法もあります。本人の面談の中身を、すべて聞く形にしなくて済みます。家族が支えやすくなる工夫に話を向けられます。
また、本人が会社で話せていることも添えてください。困りごとだけを並べるメモにしないためです。うまくいっている支え方も、話し合いの材料になります。
本人には、家族が何を相談したいかを先に伝えます。「帰宅後の過ごし方を一緒に考えたい」などです。相談の目的が見える言葉を選んでください。
就労定着支援で家族との情報共有に同意はいりますか?
情報を渡す目的と相手を伝え、本人の同意を得ます。

厚生労働省は、就労パスポートの使い方を示しています。働く上での特徴や、望む配慮をまとめる道具です。情報を共有する時の、説明と同意も示しています。
この資料では、情報を使う目的と範囲を先に伝えます。本人が分かるように説明し、同意を得る流れです。会社も情報を受け取るなら、その会社も範囲に入れます。
家族との連絡でも、相手と話題を分けて整理できます。「家族にも伝える」という言葉だけで済ませません。誰に、どの話を、何のために伝えるかを並べます。
情報を渡す前の流れ
家族・支援事業所・会社の連絡を整える
何のために伝えるか
困りごとと相談の目的を決める
誰に何を伝えるか
家族と会社を分けて考える
本人に説明する
分かったことを確かめて進める
同意する内容は、話題ごとに書き出すと伝えやすくなります。たとえば、疲れの様子は家族にも伝えてよいとします。職場での人間関係は、本人と支援者だけで話す形です。
家族が知りたい内容と、本人が伝えたい内容は分けます。「心配だから全部知りたい」とまとめないためです。本人が話しやすい範囲を、支援者と探してください。
就労パスポートでは、使う目的や範囲が変わる時も扱います。その時は、改めて目的と範囲を定めて同意を得ます。以前の同意のまま、伝える先を広げる形にはしません。
担当者や会社側の連絡先が変わる時も、話を戻せます。誰が情報を受け取るか、本人に伝えるきっかけです。連絡の仕方を変えたい時も、その希望を残してください。
就労定着支援で本人と家族の希望が違う時はどうしますか?
本人の希望を中心に、家族の心配を分けて話します。

国の基準は、本人が自分で決めることを尊重しています。計画を作る時も、本人の望む暮らしや課題をつかみます。本人が決めるための支えにも目を向ける決まりです。
家族が休んでほしくても、本人は続けたいかもしれません。反対に、本人がつらさを話していることもあります。先に結論をそろえず、違う思いをそのまま伝えます。
その時は、本人の言葉と家族の受け止めを分けてください。「仕事は続けたい」は、本人の言葉として残します。「無理をしているように見える」は、家族の見方です。
気持ちを決めつけず、話を分ける
思い込みを、相談できる言葉に変える例
| まとめてしまう言葉 | 分けて伝える言葉 |
|---|---|
| 続けるのは無理だと思う | 本人は続けたいと話している 家族は帰宅後の疲れが心配 |
| 本人は何も分かっていない | どこが分かりにくいかを聞く 説明の仕方を変えてみる |
| 家族が決めて伝える | 本人の望む支え方を聞く 家族の希望は別に添える |
本人がすぐに答えない時は、問いを小さくできます。「今の仕事をどうするか」だけを聞かない方法です。「朝の支度で手伝ってほしいこと」から話せます。
口で説明することが負担なら、短いメモも使えます。選べる話題を書いて、指で示してもらう方法もあります。本人に合う伝え方を、支援者と考えてください。
話すのが苦手なときは、書いた言葉を見せる方法もあります。本人が使いやすい方法を選びます。
家族も、自分の気持ちを消すことまでは求められません。「支えたいが、今の手伝い方では苦しい」と話せます。本人の希望と両立する方法を、相談の題材にできます。
就労定着支援で家族は家の様子をどう伝えますか?
家で見えた変化と、伝わりやすい接し方を伝えます。

国の就労定着支援の資料は、暮らしの様子も扱っています。家族と暮らしているか、家事をどう行うかも含みます。支え方を考える時の、生活面の情報です。
家族のメモは、評価よりも見えたことを先に書きます。「やる気がない」より、帰宅後の様子を残します。「着替える前に横になる」などの書き方です。
本人の話も、家族の見方と混ぜずに添えます。「休憩中も気を使うと本人が話した」などです。本人から聞いた話だと分かる言葉にしてください。
家の様子を伝える確認メモ
B-GO!の確認メモ:見たことと希望を分ける
家族が見たこと
帰宅後の疲れ・食事・朝の支度
本人が話したこと
つらい場面・続けたいこと
助かった接し方
短い説明・メモ・静かな場所
うまくいった場面も、相談の材料にできます。「予定が紙で見えると、支度を進められた」などです。できなかったことだけで、本人の姿をまとめません。
予定を紙で見せたなら、どんな紙だったかも伝えます。見出しだけで分かったか、順番まで必要だったかです。
ただし、家での接し方をそのまま会社へ求める前に整理します。何が助けになったかを、本人と支援者で考える形です。会社で試す内容は、本人の希望も踏まえて選びます。
メモを作る負担が重い時は、文章を整えるより要点を残します。「見たこと」「本人の言葉」と見出しを付けるだけでも使えます。本人が見て、直したい所を話せる形にしてください。
就労定着支援で家族は会社へ直接連絡しますか?
会社への連絡は、本人が同意した相手と内容で進めます。

就労定着支援の事業所には、会社と連絡を取る役目があります。家族だけで、職場の困りごとを調整する形にしなくて済みます。まずは、支援者に相談を集める方法を考えられます。
障害のことを会社へ伝えていない場合もあります。支援事業所の名前を出す前に、本人の考えを聞きます。
家族の連絡も、本人が望む支え方と合わせて整理します。「心配だから会社に話す」と先に決めない方法です。本人が何を知られたくないかも、話し合いに入れます。
会社へ話す前に分ける道
家族からの情報を、同意の範囲につなぐ
本人は会社への共有に同意している?
伝える内容を絞る
支援者と連絡役を決める
本人への説明に戻る
目的と相手を分かる形で示す
本人が同意している時は、連絡する人を決めておきます。本人から話すのか、支援者が同席するのかを分けます。家族は、家での様子を支援者に伝える役目も選べます。
伝える内容も、会社で変えられる話にまとめます。たとえば、説明を紙でもらうことを相談する形です。家での出来事をすべて会社へ送る必要はありません。
連絡の後は、本人がどう受け止めたかも聞いてください。「話してよかったこと」と「伝えすぎたこと」を分けます。次に伝える内容を、本人と支援者で整える材料になります。
欠勤などの連絡と、配慮の相談も分けておけます。会社への連絡方法は、本人と会社で決めた形に合わせます。家族が手伝う内容は、別に書いておくと整理できます。
就労定着支援の面談や計画に家族はどう関わりますか?
計画は本人の希望をもとに作り、本人が書面で同意します。

就労定着支援にも、本人ごとの計画があります。正式な名前は「就労定着支援計画」です。サービス管理責任者が、計画づくりを担います。計画案は本人または家族に説明します。
計画づくりでは、本人の暮らしや希望をつかみます。家族の思いを聞くことと、本人の希望を聞くことを分けます。家族の説明だけで、本人の思いを埋めない形です。
家族が面談への同席を望む時は、目的を先に伝えます。本人が話しにくい所を補いたいのかを整理してください。家での支え方を相談したい時も、そのように伝えます。
暮らし全体の計画と、支援事業所の計画
B-GO!の比べ表:家族が話を戻せる場所
| 比べる項目 | サービス等利用計画 | 就労定着支援計画 |
|---|---|---|
| 主に扱うこと | 暮らし全体と使うサービス | 就労定着支援で行う支え |
| 作成を担う人 | 相談支援専門員など | サービス管理責任者 |
| 家族が伝えること | 暮らしへの希望や困りごと | 家の様子や支え方の相談 |
面談では、本人から先に話してもらう形を提案できます。家族は、後から家での様子を補う役目に回れます。本人の話と違う所は、違いが分かるまま残します。
同席すると話しづらい内容があるかも、本人に聞けます。家族がいる場で、すべて話してもらう形にしないためです。本人だけで話す時間の希望も、支援者へ伝えられます。
計画を読む時は、本人の希望が言葉になっているかを見ます。家族が担う手伝いも、できる内容かを考えてください。「家族が支える」とだけ書かれていたら、中身を分けます。
家で受ける支援も見直すなら、相談支援に話せます。利用する福祉サービスを一緒に整理する窓口です。
就労定着支援を家族と考え始めるのはいつですか?
就職前から、就職後の支え方を相談できます。

国の通知は、就職前に支援の進め方を相談する流れを示します。使っていた支援の事業所が、本人に情報を伝える形です。就職が決まった時から、今後の支えを話題にできます。
就職前の相談と、サービスの開始時期は別です。対象となる福祉サービスを経て就職した場合が基本です。原則として就職から6か月後に利用できます。利用できる期間は最長3年です。
就労移行支援などを経て、会社で働き始めた人が対象です。仕事を始めたことで、暮らしに困りごとが出た人を支えます。前の事業所が分かれば、利用した支援の名前も伝えます。
就職前から、その先の相談まで
家族が支援の切れ目を話題にする時間の流れ
就職前
支え方と連絡先を相談する
働き始めてから
家と職場の様子をつなぐ
支援が変わる前
次の相談先と役目を整える
家族は、今の担当者と次の担当者を分けてメモできます。受給者証の期限も、本人と一緒に見ておきます。分からない所は、申請の相談と支援内容の相談に分けます。
本人への支援は、対面やビデオ通話などで月1回以上行います。
家族が相談する日や同席する範囲は、本人と支援者で決めます。
支援が始まる前の心配も、今の支援者へ伝えてください。「始まるまで家族だけで支える」と決めなくて済みます。どこへ話をつなぐかを、本人と一緒に整理できます。
就労定着支援の手続きや費用を家族は手伝えますか?
家族は、本人が申請書を読むときや書くときに手伝えます。

本人が使いたい理由を、本人の言葉で書き残します。書類を一緒に読むか、窓口に付き添うかも先に決めます。
家族が手伝うなら、本人が頼みたい部分を分けてください。書類を一緒に読むことと、書類を届けることは別です。本人が自分で行いたい所も、そのまま残せます。
家族の手伝いを分ける早見表
本人が決めることと、家族が手伝うこと
| 話題 | 分けておくこと |
|---|---|
| 申請 | 使う意思と、書類を出す手伝い |
| 計画案 | 本人の希望と、家族の希望 |
| 費用 | 所得を見る世帯と、家族の手伝い |
| 窓口への同行 | 書類の持参と、本人が話す内容 |
18歳以上の利用料は、原則として本人と配偶者の所得で上限が決まります。施設に入所する18・19歳には別の扱いがあります。
申請では、使いたいサービスと暮らしの希望を整理します。計画案づくりを頼みたいときは、相談支援も利用できます。
就労定着支援で家族はどこに相談できますか?
申請は市区町村、支援中の悩みは担当の事業所に相談できます。

使い始める前なら、住んでいる市区町村の障害福祉窓口が入口です。使っているサービス名や、働き始めた日を伝えます。仕事と暮らしの相談を続けたいときは、地域のセンターも頼れます。
- 使い始めたい
- 市区町村の障害福祉窓口
- 家と職場をつなぎたい
- 担当の就労定着支援事業所
- 支援後も相談したい
- 障害者就業・生活支援センター
センターは、仕事と暮らしの相談をあわせて受ける地域の窓口です。末尾にある厚生労働省の案内から、都道府県ごとの一覧を探せます。
今の支援が終わる前に、次の連絡先を本人と決めます。次の担当へ渡す内容も、本人に確かめます。
就労定着支援で家族が抱え込まないために何を残しますか?
本人の希望と、家族が担う手伝いを分けて残します。

国の通知は、本人に代わって解決する支え方と区別しています。本人が自分で課題に向き合えるよう、取り組みを支えます。支援が終わった後も見据える考え方です。
家族も、すべてを先回りして整える役目にしなくて済みます。「本人が行うこと」と「手伝ってほしいこと」を分けます。家族が続けられる範囲も、同じ紙に書いてください。
たとえば、会社へ伝える内容を本人が下書きする形です。家族は、頼まれた時に読み直す役目を選べます。支援者に相談する場面は、本人と別に決めておけます。
面談に持っていく、家族の連絡メモ
B-GO!の持ち帰りメモ:本人と書き直せる形にする
本人が望むこと
続けたいこと・変えたいこと
伝えてよい範囲
相手・内容・相談の目的
家族の手伝いと相談先
できること・難しいこと・次の連絡先
家族が困っていることは、本人の課題に置き換えずに話せます。「家族が連絡を担い続けるのは難しい」と伝える形です。誰がどの部分を担えるか、支援者と分ける材料になります。
相談の後は、次にすることを本人と見直してください。「誰が連絡するか」が残ると、役目を話し直せます。本人が望んでいない役目を、家族が抱えていないかも見ます。
支援が変わる時は、次の相談先の役目も整理します。仕事の相談と、暮らしの相談を分けて残す方法です。障害者就業・生活支援センターも、その相談先に含まれます。
書いたメモは、本人が直せる形で持っておいてください。家族の見方が変わった時も、書き直して構いません。本人の希望、同意、家族の負担を話に戻すための道具です。
就労定着支援では、家族も相談の相手に入っています。本人の代わりにすべて決める役目ではありません。本人の言葉を残しながら、支える役目を分けていけます。
資料一覧
- 指定障害福祉サービスの基準|厚生労働省|2026年11月5日確認
- 就労パスポート 支援機関向け活用ガイドライン|厚生労働省|2026年11月5日確認
- 就労定着支援の実施について|厚生労働省|2026年11月5日確認
- 障害福祉サービスの内容|厚生労働省|2026年11月5日確認
- 障害者就業・生活支援センターについて|厚生労働省|2026年11月5日確認
- 障害のある人に対する相談支援について|厚生労働省|2026年11月5日確認
- 就労定着支援事業所|福祉医療機構|2026年11月5日確認
- 就労定着支援|埼玉県総合リハビリテーションセンター|2026年11月5日確認
- 就労定着支援をご利用希望のかたへ|豊島区|2026年11月5日確認
- 介護給付費等の支給決定等について|厚生労働省|2026年11月5日確認
- 障害者の利用者負担|厚生労働省|2026年11月5日確認
