障害者雇用で仕事を覚えられない時は?手順と教わり方を整える方法

合理的配慮は、障害による働きにくさを減らす職場の工夫です。
何度も教わったのに、また手順を聞いてしまう。メモを取ったのに、使う時に見つからない。そんな時は、何を変えればよいのでしょうか。
国の資料には、指示を順に出す工夫があります。写真や図で、作業を伝える例もあります。この記事では、職場で試す方法をまとめます。
障害者雇用で仕事を覚えられないのは、自分のせい?
自分を責める前に、メモや図で教わる方法を見直せます。

仕事を覚えることと、何も見ずに行うことは別です。国の事例には、手引を見ながら働く工夫があります。作業の場所や手順を、写真で伝える形です。
まずは、困りごとを具体的な言葉に変えます。「仕事が全部できない」では広すぎます。「教わった後、次の動きで迷う」と書きます。直したい所を、職場と話すためです。
同じ仕事でも、止まる場面を書き分けます。始め方が分からないのか。途中の順番が抜けるのか。終わってよいか決められないのか。自分の言葉で、今の困り方を書いてください。
自分への評価を、作業の話に変える
B-GO!の整理図:仕事を覚える時の相談
自分を責める言葉
何度教わってもだめだ
職場と話せる言葉
次の手順を見返せる物がほしい
人への評価ではなく、止まる場面と助かる方法を並べます。
頼み方の例は、「手順を見ながら進めたい」です。「また聞いてすみません」だけで終えずに済みます。どの場面で、何を見たいかも添えられます。
例えば、作業の終わりで迷うならこう伝えます。「終わった見本を見せてほしいです」。「ここまでできたら報告しますか」。覚える量ではなく、終わりの目印を話す形です。
病名から、自分の向き不向きを決めないでください。合理的配慮は、本人と職場の状況に合わせます。同じ名前の障害でも、支え方は個別に考えます。
今できている作業も、相談の材料になります。「見本があると進められる」と残します。「同じ順番なら迷わない」でもかまいません。困る所と助かる条件を、並べて伝えます。
障害者雇用で仕事を覚えられない時、何を整理する?
手順書と作業を照らし、手が止まる所を探します。

国の事例には、本人に合う手順書を作る例があります。手順が抜けないよう、職業センターとも相談しています。自分の仕事も、作業の流れに沿って見直せます。
書き出す時は、失敗したという言葉だけにしません。聞いた内容、手を動かした所、迷った所を残します。何を教われば進めそうかを、考える材料にします。
説明を聞く場面なら、言葉を分けて書きます。知らない言葉があったのか。話す速さについていけなかったのか。見本を見ている間に、説明が進んだのか。自分に近い場面を選びます。
止まる場面と、話す内容の早見表
B-GO!の早見表:相談メモの書き出し
| 止まる場面 | 書くこと | 頼み方の例 |
|---|---|---|
| 説明を聞く | 分からなかった言葉 | 書いて伝えてほしい |
| 順に進める | 抜けた手順 | 手順書を見ながら進めたい |
| 終わりを決める | 迷った出来上がり | 見本と比べたい |
手を動かす場面では、迷う所を短く残します。「道具を置く棚が分からない」。「途中で呼ばれると、戻る所に迷う」。職場の人に、実際の場面を示すためのメモです。
終わりの場面なら、仕上がりの見方を書きます。「そろっているか、何を見ればよいか迷う」。「誰へ報告するか分からない」。できないという言葉を、具体的な問いに変えます。
反対に、進められた時の条件も残します。「口で聞くだけより、図があると分かる」。「静かな所で説明を受けたい」。得意な条件は、配慮を話す時にも使えます。
原因を自分だけで決める作業ではありません。今の困り方を、職場と共有するための整理です。書けない所は、実物を見せて話す方法も選べます。分からない所から、一緒に言葉にしていけます。
障害者雇用で覚えられない仕事は、どうメモにする?
写真や図を使い、次の動きが分かる手順書にします。

国の事例には、写真入りのカードを使う例があります。めくると、次に何をするか分かる形です。本人が描いた絵で、手引を作り直した例もあります。
メモは、説明を全部写す物と考えなくてかまいません。作業の途中で、戻れる形を目指します。自分が迷う所に、見る場所を作る考え方です。
職場と作る時は、まず動きの言葉にそろえます。「準備する」だけでは、動きが見えません。「箱を机に置く」「伝票と品物を照らす」。手を動かす内容に分けて書いてみます。
使える手順書を作る流れ
B-GO!の手順図:見て、動いて、直す
見本を見せてもらう
道具と動きを書き出す
手順書を見て進める
迷った言葉に印を付ける
教えた人と見直す
抜けた動きや見本を足す
文章だけで追いにくければ、図の使い方を話します。道具の置き方や、出来上がりを示す方法です。写真を使う時は、職場と撮る範囲を決めます。仕事の情報を、私物へ勝手に写さない形にします。
書いた後は、教えた人と内容を照らします。自分の理解と、求められる手順をそろえるためです。分かったつもりの所も、実際に動いて確かめます。迷った言葉は、その場で書き換えます。
手順書の置き場所も、作業と一緒に考えます。作業台に置くのか、持って歩くのか。国の事例にも、持ち歩ける手引があります。使う場面から、形を選ぶ方法です。
字や写真を増やすだけでなく、探す手間も見直します。よく迷う所が、すぐ開ける形にします。新しいメモを足した時は、古い内容も整理します。どれを見ればよいか、職場とそろえておけます。
障害者雇用で仕事を覚えられない時、教え方は変えられる?
メモを取れる速さで教わり、指示を順に受け取れます。

国の事例には、話す速さを調整する工夫があります。作業の報告後に、次の指示を出す例もあります。「もう少し丁寧に」より、変えてほしい形を伝えます。
例えば、説明を聞きながら書くのが難しい時です。「書き終えてから、先へ進んでほしいです」。見本を見る間は、手を止めたいと頼めます。どの動きを分けたいか、言葉にする方法です。
説明の後に、自分の理解を伝える形も考えられます。「聞いた順番を、私から説明してよいですか」。教えた内容と、受け取った内容を照らします。責め合うためではなく、ずれを探すためです。
教わり方を、具体的な頼み方に変える
B-GO!の比べ表:本人と教える人で共有
| 困っている形 | 頼み方の例 |
|---|---|
| 書く前に話が進む | メモを取る間、待ってほしい |
| 指示が重なる | 終わりの報告後に次を聞きたい |
| 文章だけでは迷う | 図や見本で教わりたい |
人によって言うことが違う時も、内容を整理します。「前の説明と、ここが違っていました」。手順書を見せながら、違う所を示します。どの手順で進めるか、担当の人とそろえます。
教える人が忙しい時の聞き方も、先に話せます。「手が止まった時、誰へ聞けばよいですか」。「声をかけにくい時は、メモで伝えたいです」。聞く方法まで、仕事の手順に入れる考え方です。
国のジョブコーチの資料にも、教え方の支援があります。本人への助言だけが、支援の中身ではありません。事業主へ、仕事の教え方を助言する役割もあります。
「自分だけでは、頼む内容をまとめにくい」。そんな時は、支援者と整理する道があります。本人が困る場面と、教える側が困る場面を並べます。どちらも進めやすい形を、話し合う材料にします。
障害者雇用で仕事を覚えられない時、配慮は頼める?
会社には、過重な負担を除き配慮を行う義務があります。

対象となるのは、障害による職場での困りごとです。国の指針は、本人と会社が話し合う流れを示します。本人の意向を尊重し、行う内容を考える形です。
配慮の名前を、先に知っていることはいりません。方法が浮かばなくても、困る場面を伝えられます。国の指針でも、その伝え方を認めています。
伝える例は、「口で聞くと、途中の順番が抜けます」。続けて、助かる方法を書きます。「手順書を見て進めたいです」。方法が分からなければ、そのことも添えられます。
配慮を頼む前の相談メモ
B-GO!の相談メモ:困る場面から書ける
どの作業で困るか
仕事の名前と止まる所を書く
何があると助かるか
手順書や説明の方法を書く
まだ分からないこと
方法を一緒に考えてほしいと伝える
頼んだ方法以外で、困りごとを減らす道もあります。国の指針は、本人と話し合うことを求めています。会社が行いやすい方法も、その中で考えます。
例えば、動画で教わる方法を希望した時です。写真の手順書なら作れると、話が出るかもしれません。そこで、困る所を補えるかを話します。道具の名前より、解決したい場面を中心に置きます。
行わないとされた時は、理由の説明を求められます。国の指針に、本人から求めた時の説明があります。難しい理由と、別にできる工夫を分けて聞けます。
話すのが難しい時は、短いメモで伝えます。相談の場に、支援者の助けを求める道もあります。国の指針にも、支援機関の職員が補う形があります。頼み方を、本人だけで完成させなくてかまいません。
障害者雇用で覚えられない仕事が重なる時は?
終わりの報告後に、次の仕事を受け取る形を試せます。

国の事例には、指示を順に出す工夫があります。仕事の終わりを報告してから、次へ進む形です。覚える量の話だけでなく、指示の重なりも見直せます。
例えば、作業の途中で別の頼まれごとが来た時です。「今の仕事を止めて、こちらを先にしますか」。始める前に、順番をそろえる聞き方ができます。急ぎかどうかも、自分だけで決めずに済みます。
仕事を切り替える時は、戻る場所も残します。どこまで終わったか、次は何をするかを書きます。職場と決めた印を、手順書に付ける方法も考えられます。再開する時に、どこを見るかをそろえます。
仕事を順に受け取る流れ
B-GO!の流れ図:作業と報告をつなぐ
今の作業
決めた手順で進める
終わりの報告
出来上がりを確かめる
次の指示
次にする仕事を受け取る
見直す時は、できたかどうかを作業ごとに話します。「準備は進むが、片付けの順番で迷う」。「手順書は使えるが、切り替えで止まる」。同じ仕事の中でも、残る困りごとを書き分けます。
「前よりよい」で終えず、助かった工夫も残します。「指示を順に聞くと、次にすることが分かる」。その方法を続けたいと、職場へ伝えられます。担当の人が変わる時にも、伝える材料になります。
配慮は、働き始めに決めたままとは限りません。国の指針は、職場などの変化も考えています。困りごとの有無を、定期的に確かめる形です。
新しい仕事が増えた時も、前の手順書と比べます。使える所は残し、違う所を職場と整えます。覚える速さを比べるだけでなく、作業の中身を話します。次に見直したい所を、具体的に残す方法です。
障害者雇用で仕事を覚えられない時、誰が支える?
ジョブコーチは、作業の進め方と教え方を支えます。

ジョブコーチは、職場での働きにくさを支える人です。職場へ出向き、専門的な支援を行います。具体的な目標と支援の計画に沿って進めます。
本人への支援には、作業の進め方の助言があります。職場の人との関わり方も、支援の中身です。会社には、仕事の教え方などを助言します。困りごとを、本人だけの課題にしない仕組みです。
相談する時は、実際の仕事を伝える材料を整えます。今の手順書、迷う場面、試した教わり方です。できている作業と、残る困りごとも分けます。教える人の困りごとも、話す材料にできます。
本人と職場をつなぐジョブコーチ
B-GO!の支援図:教わる側と教える側を支える
本人
作業の進め方を相談
ジョブコーチ
仕事と支え方を一緒に整理
上司や同僚
教え方や支え方を相談
支援は、職場の上司や同僚へつなぐことを目指します。ジョブコーチだけが教え続ける形ではありません。職場で支える人へ、方法を引き継いでいきます。
頼む時は、「ジョブコーチの支援を相談したい」と伝えます。国の案内では、地域障害者職業センターが相談先です。ハローワークから、取り次ぐ道もあります。
その場では、「どう教わると進められるか」を話します。手順書を作ることだけを、目標にしなくてかまいません。実際の仕事で使えるかまで、相談の中身に入れます。困る作業を、そのまま言葉にして持っていけます。
障害者雇用で仕事を覚えられない時、全国の相談先は?
地域障害者職業センターで教わり方を相談できます。

全国の窓口は、JEEDの地域別一覧から探せます。住む都道府県を選び、相談の連絡先を確認します。在職中で、作業手順に困っていると伝えます。
仕事と生活を合わせて相談する窓口もあります。障害者就業・生活支援センターです。厚生労働省が、全国の一覧を公開しています。
困りごとに合わせて相談先を選ぶ
| 困りごと | 相談先 | 話す内容 |
|---|---|---|
| 教わり方 | 地域障害者職業センター | 作業の進め方とジョブコーチ支援 |
| 仕事と暮らし | 障害者就業・生活支援センター | 働く上での悩みと生活の困りごと |
| 配慮の話し合い | ハローワーク | 会社に伝えた希望と返事の経過 |
最初の連絡では、相談の目的を短く話します。「仕事の順番を覚えられず、手が止まります」。「職場と教わり方を見直したいです」。今ある手順書やメモも、説明に役立ちます。
会社に相談する前に、話を整理したい時もあります。困った場面と、試した工夫を分けて伝えます。支援機関と、会社へ伝える内容を考えられます。
内閣府の障害者白書にも、相談窓口の案内があります。どの機関を探すか迷う時の入口にできます。全国の一覧から、自分の地域へ進んでください。
障害者雇用で仕事を覚えられないのに、相談が進まない時は?
ハローワークは、合理的配慮の相談を受け付けます。

厚生労働省は、配慮についての相談先を示しています。障害による差別の相談も、受け付けるとしています。仕事を探す時だけの窓口と考えなくてかまいません。
相談へ持っていく内容は、話の経過です。どの作業で困ったか。会社へ何を伝え、どんな返事があったか。試した方法と、残っている困りごとを分けて書きます。
「配慮が足りない」と感じる理由も、具体的に残します。「手順書を頼んだが、話が止まっている」。「担当の人が変わり、前の工夫が伝わっていない」。事実と、自分の希望を分けて相談するためです。
今、相談したいことを分ける
B-GO!の分かれ道:支援の中身を選ぶ
会社との配慮の話が進まない?
配慮について相談
ハローワークへ経過を伝える
仕事の進め方を相談
就労の支援機関へ困る場面を伝える
会社から、希望の方法は難しいと言われた時も同じです。説明された理由を、そのまま残します。代わりの工夫について話せたかも書きます。国の指針は、本人との話し合いを求めています。
返事をどう受け取ればよいか、迷うこともあります。その時は、自分で法的な結論を出さずに相談できます。聞いた言葉を、短いメモにしておきます。希望と返事の違いを、相談員に伝えるためです。
ハローワークには、障害に詳しい職員がいます。専門の相談は、手帳がない人も使えます。窓口へ伝える言葉は、「障害に関する仕事の相談」です。
困りごとを話す時、退職するかを先に決めなくても済みます。まず、今の仕事で何が起きているかを整理します。続けるために試したい方法も、一緒に書きます。仕事と配慮の話を分けず、具体的な場面から伝えます。
障害者雇用で仕事を覚えられない時、何を持って相談する?
就労パスポートで、得意なことと希望を伝えられます。

就労パスポートは、働く上での特徴を整理する道具です。希望する配慮も、支援機関と一緒にまとめられます。就職後の上司や同僚への説明にも使えます。
すぐに書き始めたい時は、下の相談メモも使えます。困った話だけでなく、進められた条件も残します。自分が覚えるためのメモと、相談用のメモを分けます。相談用は、相手へ伝えたい内容を短くする形です。
仕事の名前は、職場で通じる言葉で書きます。「事務」より、「伝票と品物を照らす作業」です。その中で、手が止まる所を続けて書きます。相談する人が、場面を思い浮かべられる形にします。
職場や支援者へ持っていく相談メモ
B-GO!の持ち帰りメモ:書ける所から使う
今、困っている作業
作業名/手が止まる所/聞きたいこと
進められる条件
使える見本/分かる説明/助かった工夫
次に相談したいこと
試したい方法/手伝ってほしいこと
メモの書き方は、次のような短い形でかまいません。「順番を口で聞くと、途中で分からなくなる」。「見本がある作業は、自分で進められる」。「手順書を見ながら、出来上がりを確かめたい」。
希望する方法が、まだ決まらない時も書けます。「どんな教わり方が合うか、一緒に考えたい」。困る場面が伝われば、話し合いを始められます。国の指針も、その伝え方を示しています。
相談した後は、決まった工夫をメモへ足します。何を使うか、誰へ聞くかを、短い言葉で残します。試した後に話したいことも、書き足していけます。就労パスポートも、就職後の見直しに使えます。
仕事を覚えられない時は、困る場面から話せます。見本を示す、指示を順に出すなどの例があります。教え方を支えるジョブコーチの仕組みもあります。自分に合う進め方を、職場や支援者と探せます。
関連する読みもの:職場の人間関係の相談・発達障害者支援センター・B型の清掃の仕事
出典
- 雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮|厚生労働省
- 合理的配慮指針|厚生労働省
- 合理的配慮指針事例集(第三版)|厚生労働省・徳島労働局
- 職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業について|厚生労働省
- 職場適応援助者(ジョブコーチ)支援を活用しましょう|厚生労働省
- 就労パスポート|厚生労働省
- 障害者就業・生活支援センターについて|厚生労働省
- 地域障害者職業センター|高齢・障害・求職者雇用支援機構
- 障害に関する相談窓口(令和7年版障害者白書)|内閣府
- 職場での障害者差別の禁止と合理的配慮の提供|厚生労働省
- 障害のある皆様へ|厚生労働省 ハローワーク
編集方針:公的資料と照合し、本文と図を点検しています。
