視覚障害の就職活動で配慮を頼むには?試験と面接の準備

支援員と相談しながら働く場所を考える人たち

合理的配慮は、障害で参加しづらい所を変える支えです。

資料の読み方や、試験での答え方を相談できます。
使う機器や、会場でいる案内を具体的に伝えます。
希望する方法と、会社ができる方法を話し合います。

応募先に何を頼めるか、迷うこともあるでしょう。見え方をどこまで話すかも、気になる所です。この記事では、参加をしやすくする方法を整理します。

国の指針は、募集や採用の時の配慮も定めています。本人が困ることと、希望する方法を伝える仕組みです。仕事の力を示すための準備として読んでください。

視覚障害の就職活動で、配慮は何を頼めますか?

募集内容の音声での説明や、試験の点字対応などです。

国は、すべての事業主に配慮の義務があると説明します。対象は、入社した後の仕事だけではありません。募集や採用など、雇用のさまざまな場面に及びます。

配慮の目的は、参加を妨げている事情を変えることです。試験の内容を読める形にすることも、その例です。読める形と、自分が答えられる方法を分けて考えます。

厚生労働省の事例集には、口頭での募集説明があります。文字を大きくした試験や、音声ソフトの例もあります。点字での試験や、時間を延ばした例も載っています。

この中から、名前だけで方法を選ぶのではありません。自分がどの方法なら内容をつかめるかを考えます。同じ視覚障害でも、見え方は人によって違います。

困る場面と、相談する配慮

B-GO!の比べ表:募集と試験を分けて考える

場面参加をしやすくする方法
募集を読む募集を読む
音声で内容を受け取る
問題を読む問題を読む
拡大・点字・音声を使う
試験を受ける試験を受ける
読む方法に合わせて時間を相談する

希望する方法は、会社と話し合って決めます。会社にとって重すぎる負担となる時もあります。その時は、本人の意向を尊重して別の方法を考えます。

たとえば、資料を読むことと、道を歩くことは別です。書類には音声がいるが、移動の案内はいらない。反対に、資料は読めても初めての道では案内がいる。自分の困る場面を分けて書くと、話を整理できます。

頼む内容を、病名の説明だけで終えないようにします。「何がしづらいか」と「どうすれば参加できるか」。この組み合わせを、相談の中心に置きます。

視覚障害の就職活動で、配慮はいつ伝えますか?

応募や試験の準備をする時に、困ることを伝えます。

国の指針では、募集や採用の時は本人が申し出ます。伝えるのは、参加の妨げになっている事情です。それに加え、改善のために希望する方法も伝えます。

まずは、応募の案内に配慮の申出欄があるかを見ます。連絡先や、専用の申込み方法も合わせて読みます。応募書類の提出と、配慮の連絡を分けている案内にも目を通します。

応募先により、申出の期限や連絡方法は違います。採用担当へ、試験の準備前に連絡します。募集要項の申込期限と配慮の期限を分けて見ます。

申出欄への入力後に連絡が必要な場合もあります。自分の応募先でも、連絡の手順を読み取ります。資料を作る人と、当日の担当が同じかも聞くと整理できます。

配慮を伝えてから、当日まで

応募先の案内に沿って準備する

前

案内を読む

申出欄と連絡先を見る

連絡

困ることを伝える

希望する方法も添える

当日

決めた内容を使う

担当と使い方をそろえる

連絡する文は、次のように書けます。

視覚障害があり、印刷された小さい文字を読めません。資料は、読み上げで使える形を希望します。試験で使う機器についても相談したいです。

この文に、ふだん使う読み方を足していきます。大きな文字なら読めるのか、音声で読むのか。点字を使いたいのかも、自分の言葉で書きます。

返事を受けたら、受け取れる資料の形を整理します。機器や案内について、まだ決まっていない所も残します。「配慮をお願いした」で止めず、中身をそろえるためです。

メールで話した内容は、そのまま保存しておけます。電話で話した時は、決まったことをメモにします。担当の名前と、次に自分がすることも書き添えます。

視覚障害の就職活動で、資料の配慮は何ですか?

募集内容を音声で受け取る方法などを相談できます。

厚生労働省の事例集には、求人の口頭説明があります。会社の説明会で、図やグラフを詳しく伝えた例もあります。読む手段だけでなく、図の意味を知る支えも含まれます。

資料を頼む前に、自分が読みやすい形を書き出します。紙の文字を大きくする方法がよいのか。画面の文字を音声で聞く方法がよいのか。ふだんの読み方から考えられます。

公的機関の解説には、さまざまな支援機器があります。文字を大きくする拡大読書器も、その例です。画面の文字を読むソフトや、点字の表示機器もあります。

「電子データがほしい」に、使う読み方も添えます。受け取る形と、手元での読み方をつなげて伝えます。

資料の形と、読む手段を合わせる

B-GO!の比べ表:受け取り方の相談

読む手段伝える内容
拡大して読む拡大して読む
読める文字や、使う拡大読書器
音声で聞く音声で聞く
読み上げソフトで使いたいこと
点字で読む点字で読む
点字で受け取りたい資料

応募先へ送る文は、次のようにまとめられます。

募集資料を画面の読み上げソフトで読みたいです。図の中の文字や、グラフの内容も知りたいです。どの形で受け取れるか、相談できますか。

資料の名前も添えると、相手が探しやすくなります。仕事内容の案内か、説明会で使う資料かを書きます。試験問題については、別に相談する形に分けます。

受け取った資料は、手元の方法で開いてみます。読める所と、内容をつかみにくい所を分けます。読みづらい所は、その資料の名前と一緒に伝えます。

音声だけでは図の関係をつかみにくい時も、質問にできます。「図があること」はわかるが、中身を知りたい。何を知りたいかまで書くと、説明を頼みやすくなります。

視覚障害の就職活動で、試験の配慮は何ですか?

点字や拡大文字、音声、試験時間の調整などです。

国の採用選考の案内は、本人に応じた配慮を示します。点字や拡大文字、音声を使うことが含まれます。読む時間に合わせ、試験時間の延長も相談できます。

相談する時は、問題を読む方法から考えます。その後に、答えを書く方法を考えます。最後に、その方法で受けるための時間を話します。

文字を大きくする時は、読める大きさを伝えます。神奈川県職員の試験では、15pt以上の例があります。県の受験案内に示された、この試験の条件です。全国の採用試験に共通する大きさではありません。

文字サイズに加え、文字と背景の色も伝えます。問題用紙だけでなく、解答用紙も相談します。普段の方法で答えられるかを先にそろえます。

試験の相談を組み立てる

読む・答える・時間をつなげる

読む

問題の形

点字・拡大・音声を相談

答え

解答の方法

自分が書ける方法を伝える

時間

受ける条件

時間の延長や休憩を相談

時間については、困る理由も添えて話します。たとえば、拡大しながら問題を読み進めることです。読む時の負担と、答えを考えることを分けて伝えます。

伝える文は、次のように書けます。

問題は拡大読書器を使って読みたいです。読む時に、表示する場所を動かす操作がいります。試験時間や、休憩についても相談したいです。

準備では、問題だけでなく解答用紙にも目を向けます。どこに答えを書くかがわかる形かを聞きます。口頭の指示があるなら、聞く方法も合わせて話します。

試験の案内と、配慮の返事は並べて読んでおきます。自分が使う方法が、返事に入っているかを見るためです。まだ決まっていない所は、質問の形で残します。

視覚障害の就職活動で、情報機器の配慮は何ですか?

音声ソフトや拡大読書器を使う方法を相談できます。

厚生労働省の事例集には、音声ソフトの活用があります。拡大読書器やルーペを使う試験の例もあります。自分がふだん使う機器を、相談の出発点にできます。

画面読み上げソフトは、画面の文字を音声にします。拡大読書器は、文字を大きくして読むための機器です。文字を点字で表す機器もあります。

ただ「パソコンを使いたい」と伝えるよりも、中身を分けます。問題を読むために使うのか。答えを入力するために使うのか。使うソフトも添えると、話の行き違いを減らせます。

機器は、持参と使用の許可を分けて相談します。音声を聞くイヤホンや、電源の要否も伝えます。ネット接続が必要かも、使い方と一緒に伝えます。

機器の名前と、使い方は伝えた?

機器の持参と、試験での使用を分けて整理

使う機器と条件が決まっている?

はい

使い方をそろえる

資料と機器の組み合わせを見る

いいえ

中身を伝える

機器・ソフト・用途を書き出す

機器の相談メモには、持って行きたい物を書きます。パソコン本体、使うソフト、音声を聞く方法などです。会社が用意する物と、自分が持つ物を分けます。

伝える文は、次のようにまとめられます。

問題を読むため、画面読み上げソフトを使いたいです。ふだん使っているパソコンの持参を希望します。解答に使う方法も、別に相談したいです。

機器が決まったら、受け取る資料との組み合わせを見ます。手元の機器で読める形を、担当に伝えておきます。使い方を話すために、説明用のメモも作れます。

ふだんできている読み方を、短く説明できる形にします。できることと、会社側に頼みたいことを分けるためです。機器の専門用語だけを並べるより、用途も添えます。

視覚障害の就職活動で、移動の配慮は何ですか?

道順の説明や、案内がいる区間を相談する形です。

公的機関の解説では、移動しやすい配置を例示しています。物の位置を、右や左などの言葉で伝える例もあります。この考え方を、会場で頼みたい案内の整理に使えます。

まず、自分で行ける所と、案内がいる所を分けます。駅から建物までの道順を知りたいのか。建物の入口で、担当に会いたいのか。受付の後、面接の席まで案内がいるのかを考えます。

「会場まで案内してほしい」だけでは、範囲が広くなります。合流したい場所を、言葉で伝えられる形にします。相手と同じ場所を思い浮かべられるかが、整理の目安です。

伝える文は、次のように書けます。

建物の入口までは、自分で向かう予定です。入口で担当の方と合流したいです。そこから受付と面接の席まで、案内を希望します。

案内がいる区間を分ける

自分の移動に合わせて、合流する場所を決める

外

建物まで

道順の説明がいるか

入口

担当と合流

会う場所を言葉でそろえる

室内

受付から席へ

案内がいる区間を伝える

図の区間は、本人が相談を整理するための分け方です。自分で移動できる所まで、案内を頼む必要はありません。ほしい支えを、場所に結び付けて伝えます。

合流の方法も、担当とそろえておきます。到着したら電話をするのか、入口で声をかけてもらうのか。自分が使いやすい連絡方法を添えて相談します。

会場の中では、物の位置の伝え方も話せます。「そこにあります」ではなく、言葉で位置を知りたい。こうした希望は、案内の頼み方に加えられます。

帰る時の案内も、同じメモに書いておけます。行きだけでなく、会場を出るまでを思い浮かべます。自分で動ける所と、支えがいる所を並べて考えます。

視覚障害の就職活動で、面接の配慮は何ですか?

資料の口頭説明や、位置を言葉で伝える方法です。

募集内容を口頭で伝えた例は、国の事例集にあります。図やグラフを詳しく説明した例も載っています。面接で資料が出るなら、読む方法を相談する手がかりです。

公的機関の解説は、声をかける方法も示しています。相手の名前を呼び、自分の名前も言う方法です。席を離れる時に声をかける例もあります。

面接では、何を言葉で知りたいかを整理できます。資料を指している時は、その中身を説明してほしい。物を渡す時は、置く場所を言葉で伝えてほしい。自分が参加しやすい伝え方を、短くまとめます。

見え方の説明と、仕事の話も分けて準備します。ふだん使う機器で、どのように作業をしているか。どこに支えがあると、力を出しやすいかを話せます。

面接で伝える、参加のための希望

見えない情報を、言葉で受け取る準備

  • 使う資料

    図や文字を、どう受け取るか

  • 席と物の位置

    置く場所を言葉で知りたいか

  • 声のかけ方

    名前や、席を離れる合図

希望を伝える文は、次のように書けます。

面接で資料を使う時は、内容を言葉でも知りたいです。図を指して説明する時は、図の中身もお願いします。物を置く時は、場所を声で伝えてください。

面接に支援者がいると話しやすい人もいるでしょう。ハローワークは、採用面接への同行も行っています。同行については、担当との相談の内容にできます。

支援者に頼む時も、自分が話したいことを残しておきます。見え方の説明を手伝ってほしいのか。配慮の話を整理する時に支えてほしいのかを考えます。

説明を頼むことと、答えを代わってもらうことは分けます。自分の希望や経験を話せる形を作るためです。参加しやすい伝え方を、面接の準備に含めます。

視覚障害の就職活動で、配慮がむずかしい時は?

困ることに立ち返り、別の方法を話し合います。

国の指針は、本人と会社の話し合いを基本にしています。方法がいくつもある時は、本人の意向を尊重します。そのうえで、会社が提供しやすい方法を選べます。

希望した方法が重すぎる負担となる時も同じです。本人の意向を尊重し、負担が重すぎない方法を考えます。頼んだ機器の名前だけで、話を止めないための考え方です。

返事が「むずかしい」だったら、中身を分けて聞けます。用意する機器のことなのか、資料の形のことなのか。何がむずかしいのかを聞くと、別案を考えやすくなります。

その時は、元の困りごとを短く言い直します。「この機器がほしい」だけでなく、「問題を読みたい」。参加のために変えたい所を、相手とそろえます。

希望する方法を、そのまま使える?

困ることと、実施する方法を分ける

希望する方法で進められる?

はい

内容をそろえる

資料・機器・担当をメモする

いいえ

別の方法を話す

参加の妨げをどう変えるか

別案が出たら、その方法で参加できるかを考えます。何を読めるのか、どのように答えられるのかを書きます。困る所が残るなら、その部分を具体的に返します。

話し合いが進みにくい時は、やり取りを整理します。自分が伝えた希望、相手の返事、出てきた別案です。メールやメモがあれば、相談する時に見せられます。

ハローワークでは、差別や配慮について相談できます。会社との話の進め方に迷う時も、相談先になります。厚生労働省が、相談を受ける窓口として案内しています。

国の基本方針には、労働局による解決の支えもあります。行き違いを抱えたままにせず、相談の内容にできます。まずは、何が決まり、何が残っているかを分けます。

視覚障害の就職活動で、配慮を相談できる窓口は?

ハローワークの専門窓口で、応募の相談ができます。

障害のある人の就職を専門の職員が支えます。求人の紹介だけでなく、面接への同行もあります。最寄りの窓口で、視覚障害と希望する支えを伝えます。

全国の地域障害者職業センターも相談先です。働くための専門的な支援を行う機関です。全国の一覧から、自分の地域の連絡先を探せます。

全国で、相談する内容を分ける

応募の準備から、行き違いの相談まで

準備

希望を整理

地域障害者職業センター

応募

仕事を探す

ハローワークの専門窓口

相談

配慮の行き違い

ハローワークなどへ

応募の準備と、配慮の行き違いは分けて相談します。応募先との話が進まない時も、ハローワークへ。伝えた希望と、会社の返事をメモして持参します。

大学などに在学中なら、学内の就職支援窓口も使えます。JASSOは、視覚障害のある学生の支援を示しています。学内で得られる情報や支援を、応募の準備に使います。

相談する前に、試験日と申出の期限をまとめます。資料・機器・移動のうち困る場面を書きます。会社に伝える文を、一緒に整理してもらえます。

視覚障害の就職活動で、配慮のメモに何を書きますか?

困る場面、参加できる方法、会社に頼むことです。

国の指針が求める申出を、手元のメモに直します。参加の妨げになっている事情を書きます。その後に、改善のために希望する方法を添えます。

B-GO!では、場面ごとに書き分ける形を勧めます。資料、試験、機器、移動、面接を並べてみます。困っていない所は、そのことも自分の言葉で書けます。

メモの始めには、参加する方法を書きます。音声を聞くのか、拡大して読むのかを伝えます。病名や手帳の情報だけで、説明を終えないためです。

次に、自分で用意する物を書きます。ふだん使う機器や、使い方の説明があれば添えます。会社に頼むことと、同じ欄に混ぜずに並べます。

持ち帰って使う、配慮の確認メモ

B-GO!の確認メモ:会社への連絡に使う

  • どの場面で困るか

    資料・試験・移動などを書き分ける

  • どうすれば参加できるか

    読む手段や、使う機器を添える

  • 会社に何を頼むか

    資料の形・案内・当日の対応

連絡文の全体は、次のようにまとめられます。

視覚障害があり、小さい印刷文字を読めません。資料は、音声で読める形を希望します。試験では、ふだん使う機器を使いたいです。機器の内容と、使用方法を相談したいです。会場では、入口から席までの案内を希望します。

この文から、自分にいらない内容は外します。自分の読み方や移動に合う言葉に置き換えます。希望がまだまとまらない所は、相談したい点として残せます。

会社から返事が来たら、メモに決まった内容を足します。頼んだことと、実際に行うことを並べて見ます。まだ返事のない所も、見つけやすくなります。

当日は、会社とそろえた内容を手元で見られる形にします。紙が読みにくければ、自分が読める方法で持ちます。連絡先や、会場で合流する方法も同じ所にまとめます。

自分だけで整理しづらい時は、支援者と一緒に作れます。ハローワークの担当にも、面接同行を相談できます。自分が伝えたいことを中心に、相談を進められます。

配慮の相談では、参加に必要な情報を整理します。自分ができる方法を、応募先とそろえる準備です。

出典

  1. 合理的配慮指針|厚生労働省
  2. 雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮|厚生労働省
  3. 合理的配慮指針事例集・第三版|厚生労働省
  4. 障害者雇用対策基本方針|厚生労働省
  5. 視覚障害の特性と配慮|高齢・障害・求職者雇用支援機構
  6. 県職員採用試験・受験案内の共通項目|神奈川県
  7. 採用選考・面接|高齢・障害・求職者雇用支援機構
  8. 障害のある皆様へ|厚生労働省・ハローワーク
  9. 地域障害者職業センター|高齢・障害・求職者雇用支援機構
  10. 視覚障害・就職支援|日本学生支援機構
  11. 障害者選考試験|人事院
  12. 職場での障害者差別の禁止と合理的配慮の提供|厚生労働省
  13. 合理的配慮指針・告示本文|厚生労働省