就労継続支援A型の有給を通院に使うには?働く日数から調べる

A型の有給は、雇用契約で働く人の年次有給休暇です。
「通院で休むと、給料が減るのかな」。そんな時は、有給の条件から見ていけます。まず、雇用契約を結んでいるかを見ます。次に、働き始めた日と、働く日数を見ます。
この記事では、国が示す日数を表にしました。自分の契約と見比べて使えます。申し出る時のメモも、最後にまとめました。
A型の有給はいつから使えますか?
基本は、継続勤務6か月と出勤率8割以上です。2026年11月時点の国の説明です。

有給は、給料を受け取りながら休める制度です。条件に合えば、事業所が与える決まりです。事業所の好意だけで決まる休みではありません。
就労継続支援A型は、雇用契約で働く場を用意します。その中でも、雇用契約を結んだ人が対象です。国の通知は、労働基準法が適用されると示します。
そのため、「福祉サービスだから有給はない」。この説明だけで、有給をなくすことはできません。事業所の規模にも左右されません。
働き始めた日は、雇用契約書で見られます。見学や体験を始めた日とは分けて見ます。有給の起点になる、雇われた日を探します。
有給がつくまでの流れ
雇用契約で働くA型の人の目安
雇われた日
雇用契約の開始日を見る
6か月後
出勤率8割以上が条件
その後は年ごと
出勤率を見て、新たにつく
契約に期限があっても、有給の対象です。更新しながら引き続き働いている時は、実態を見ます。更新だけで、勤続を最初から数え直しません。
休職中でも、雇用契約が続く期間は勤続に入ります。ただし、出勤率は別に計算します。「在籍していること」と「出勤」は別です。
なお、B型は雇用契約の有無が違います。仕組みは、就労継続支援B型とはにまとめています。
A型の有給は短い時間の仕事でもつきますか?
はい、短時間の仕事でも有給の対象です。

ただし、有給の日数は同じとは限りません。働く日数が少ない人には、別の表があります。これを「比例付与」といいます。
先に見るのは、契約で決めた働く日数です。これを「所定労働日数」といいます。欠勤した日を引いた、実際の出勤数とは違います。
週5日以上なら、通常の日数の表を使います。週30時間以上の人も、通常の表です。2026年11月に国の説明を確かめました。
週4日以下で、週30時間未満なら比例付与です。日数と時間の両方を合わせて見ます。こちらも2026年11月時点の説明です。
自分はどの表を使う?
A型の契約にある日数と時間で分ける
週5日以上、または週30時間以上?
通常の表へ
最初の付与は10日
比例付与の表へ
週の所定日数で分ける
週以外で日数を決める人は、年の所定日数を見る。
短い時間でも、働く日数が多ければ通常の表です。反対に、働く日数と時間が少なければ比例付与です。「短時間だから有給がない」とはなりません。
週ごとに働く日が決まらない人もいます。その人は、年の所定労働日数で見ます。年217日以上なら、通常の表です。2026年11月時点の国の説明です。
シフトの数だけを見て、表を選ばないようにします。まず、雇用契約書の勤務日数を見ます。働く時間も、休憩を除いた決まりを見ます。
契約と今の働き方が違う時は、両方をメモします。どの条件で有給の日数を決めたかをたどれます。日数を変えた時の書類も、一緒に残せます。
A型の有給は勤務日数ごとに何日つきますか?
最初は、通常の表で10日です。比例付与では、週の所定日数に応じて変わります。2026年11月に国の表を確かめました。

下の表は、働き始めてからの長さで読みます。「今、何日残っているか」を示す表ではありません。その時点で、新たにつく日数の表です。
通常の列と、比例付与の列を分けてください。働く日数だけでなく、時間の条件も使います。前の章で選んだ列を、そのまま下へ読みます。
A型の有給日数の早見表
B-GO!の早見表:勤続と契約の日数を交差させる
| 勤続 | 通常 | 週4日 | 週3日 | 週2日 | 週1日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 6か月 | 通常10日 | 週4日7日 | 週3日5日 | 週2日3日 | 週1日1日 |
| 1年6か月 | 通常11日 | 週4日8日 | 週3日6日 | 週2日4日 | 週1日2日 |
| 2年6か月 | 通常12日 | 週4日9日 | 週3日6日 | 週2日4日 | 週1日2日 |
| 3年6か月 | 通常14日 | 週4日10日 | 週3日8日 | 週2日5日 | 週1日2日 |
| 4年6か月 | 通常16日 | 週4日12日 | 週3日9日 | 週2日6日 | 週1日3日 |
| 5年6か月 | 通常18日 | 週4日13日 | 週3日10日 | 週2日6日 | 週1日3日 |
| 6年6か月以上 | 通常20日 | 週4日15日 | 週3日11日 | 週2日7日 | 週1日3日 |
週4日以下の列は、週30時間未満の人に使う。各付与には出勤率8割以上の条件がある。
たとえば、比例付与で週3日の人を見ます。勤続6か月では、新たにつく有給は5日です。2026年11月時点の国の表によります。
同じ週3日でも、勤続1年6か月では6日です。勤続2年6か月でも6日です。毎回、同じ幅で増える表ではありません。2026年11月に国の表を確かめました。
年の所定日数を使う人は、次の組で読みます。週4日の列は、年169〜216日です。週3日の列は、年121〜168日です。2026年11月時点の国の表です。
週2日の列は、年73〜120日です。週1日の列は、年48〜72日です。こちらも、2026年11月に確かめた表です。
表を見た後は、事業所の付与記録と比べます。前から残る分と、新たについた分を分けます。残りの日数は、使った分も含めて見直せます。
A型の有給は欠勤や通院があるとつきませんか?
欠勤があっても、出勤率8割以上なら対象です。2026年11月時点の国の説明です。

有給がつくかは、皆勤かどうかだけでは決まりません。見るのは、働く予定の日に対する出勤の割合です。通院の回数だけで、有給の有無は決めません。
分母は、もともと働く決まりだった日です。所定の休日は、ここから外します。休みの日まで欠勤として数える計算ではありません。
分子は、出勤した日などです。遅刻や早退で、一部だけ働いた日も入ります。有給を使って休んだ日も、出勤として扱います。
出勤率で分けて見るもの
A型の出勤簿と契約を見比べる
| 項目 | 数え方 |
|---|---|
| 所定の休日 | 働く予定の日から外す |
| 遅刻・早退した日 | 一部でも働けば出勤に入る |
| 有給で休んだ日 | 出勤したものとして扱う |
仕事上のけがや病気による休業も、扱いが決まっています。産前産後の休業、育児休業も出勤として扱います。介護休業も同じです。
通院の日は、どの休みで処理されたかを見ます。有給で休んだ日なら、出勤の扱いです。通院という理由だけで数え方を決めないようにします。
出勤簿を見る時は、休みの名前を分けて書けます。「有給」「所定の休日」「欠勤」を並べます。同じ休みでも、出勤率での扱いが違うためです。
出勤率が足りない時も、勤続の長さは別に見ます。雇用契約が続いている期間まで消えるわけではありません。次の付与では、その時の出勤率を見ます。
自分の記録と計算が合わない時は、内訳を求めます。「どの日を欠勤に入れたか」と聞けます。出勤率だけでなく、もとの記録を並べると整理できます。
A型の有給は通院や休養にも使えますか?
はい、通院や休養にも使えます。使う目的は、原則として本人の自由です。

有給は、仕事を休んで心身を休めるための制度です。病院へ行く日だけに限られません。家で休むために使うこともできます。
休む日は、本人が希望する日が原則です。事業所が自由に決められる休みではありません。まずは、使いたい日をはっきり伝えます。
通院の予定が決まっているなら、日付をメモします。次に、その日が働く予定の日かを見ます。有給は、もともとの休日とは別に取る休みです。
通院に有給を使う時の手順
休む日と、有給を使う意思を分けて伝える
勤務予定を見る
休みたい日が勤務日か見る
有給を申し出る
日付と休み方を伝える
処理を見返す
欠勤でなく有給になったか見る
申し出る文は、短くまとめられます。「通院の日に、年次有給休暇を使いたいです」。この文に、休む日を書き添えます。通院以外なら、休む日と希望を伝えます。
「病院に行くので休みます」だけでは、伝わり方が分かれます。有給を使いたい意思も、一緒に書いておけます。口頭で伝えた後に、メモを残す方法もあります。
事業所が日を変えられるのは、限られた時です。事業の正常な運営を妨げる時に限られます。有給そのものを与えない決まりではありません。
別の日を示された時は、その理由をメモします。通院の日を動かせない事情も、短く伝えられます。やり取りを残すと、後から経緯をたどれます。
急な体調の変化では、連絡の方法を先に見ます。欠勤の連絡と、有給の希望を分けて伝えます。申請書や連絡先は、就業規則で探せます。
A型の有給は半日や時間単位でも使えますか?
半日は事業所の同意で取れます。時間単位には、労使協定がいります。

基本は、日単位で取る有給です。通院の時間だけ休みたい時は、別の仕組みを見ます。半日と時間単位は、同じ決まりではありません。
半日の有給は、本人が希望して申し出ます。そのうえで、事業所が同意すれば取れます。午前と午後の分け方も、事業所の定めを見ます。
時間単位の有給は、年5日分までです。使うには、労使協定を結ぶことがいります。2026年11月時点の国の説明です。
労使協定は、書面による取り決めです。事業所と、働く側の代表などで結びます。就業規則に書くだけでなく、この協定もいります。
半日と時間単位の違い
通院に使う時に見たい取り決め
| 休み方 | 使うための条件 |
|---|---|
| 半日 | 本人の希望と事業所の同意 |
| 時間単位 | 労使協定を結ぶ。年5日分まで |
| 日単位 | 有給の基本となる休み方 |
時間単位の有給があるかは、協定で見ます。対象になる人や、使える日数も書かれます。有給の日を何時間として扱うかも、協定の項目です。
国の説明では、時間単位は1時間未満にできません。30分単位の有給にはできない決まりです。2026年11月に国の資料を確かめました。
時間単位の仕組みがなくても、有給自体は別です。日単位の有給までなくなるわけではありません。事業所は、時間単位で取るよう強制できません。
通院では、移動や待ち時間もメモできます。診察の時間だけで、必要な休みを決めないためです。半日で足りるか、勤務の予定と重ねて見られます。
A型の有給を使った日の給料はどうなりますか?
有給の日には、定めた方法で賃金が払われます。

有給は、無給の欠勤とは違います。働いていない日でも、賃金を受け取る休みです。ただし、計算の仕方は就業規則などで見ます。
国の説明には、通常の賃金を払う方法があります。所定の時間を働いた時の賃金を使う方法です。平均賃金を使う方法もあります。
健康保険の標準報酬日額を使う方法もあります。この方法には、労使協定がいります。計算方法は、事前に定めておく決まりです。
使うたびに、事業所が好きな方法を選べません。就業規則などで決めた方法に沿って払います。自分の時給だけで、先に金額を決めないようにします。
有給の日の給料をたどる
計算の決まりから、実際の支払いへ
就業規則など
使う計算方法を見る
有給の日の賃金
決めた方法で計算する
給与明細
支払いと勤怠を見比べる
給料を受け取ったら、給与明細を見返せます。有給を使った日と、勤怠の記録を並べます。欠勤として引かれていないかを見ます。
明細に有給の項目が見当たらない時もあります。項目の名前だけで、未払いとは決められません。計算の方法と、有給として扱った日を求めます。
聞く文は、計算のもとをたどる形にできます。「有給の日は、どの賃金の方法で計算しますか」。「明細では、どこに含まれていますか」。このように聞くと、見たい項目を伝えられます。
有給を取ったことによる不利益な扱いも、相談できます。国は、賃金を減らすなどの扱いをしないよう示します。休んだことへの評価と、賃金の計算を分けて見ます。
A型の有給の期限と年5日の決まりは何ですか?
有給の時効は2年です。年5日の取得義務は、別の決まりです。2026年11月に公的資料を確かめました。

使わなかった有給は、翌年度にも持ち越せます。ただし、古い分は時効で消えます。新たにつく分と、前から残る分を分けて見ます。
残りの日数だけでは、いつ消えるか分かりません。有給がついた日も、一緒に見ます。事業所の付与記録や管理簿をたどれます。
一方、年10日以上の有給がつく人には、別の決まりがあります。事業所は、付与日から1年以内に5日を取らせます。2023年2月版の国の解説によります。
「年5日まで」ではない
有給の上限と、事業所の取得義務を分ける
取れる有給は年5日だけ
残りがあっても使えない?
5日は取得させる義務
取れる日数の上限ではない
本人が申し出て取った有給も、この日数に入ります。計画年休で取った分も入ります。事業所が別に追加して休ませる決まりではありません。
比例付与の人も、対象になることがあります。法定の付与日数が10日以上になれば対象です。2023年2月版の国の解説に書かれています。
この5日には、半日単位の有給も数えます。時間単位の有給は、数えません。同じ有給でも、取得義務での扱いが違います。2023年2月版の国の解説によります。
有給が少ない人にも、有給を使う権利はあります。取得義務の対象外でも、有給自体は使えます。「対象外だから休めない」と混同しないようにします。
事業所が取得日を決める時は、本人の意見を聞きます。その意見を尊重するよう努める決まりです。通院などの希望も、その時に伝えられます。
A型の有給を断られた時はどこへ相談できますか?
有給の法令の相談先は、労働基準監督署です。

雇用契約のあるA型にも労働基準法が適用されます。福祉サービスの相談と、労働の相談は分けます。
全国の窓口は、厚生労働省の所在地一覧で探せます。勤務先の都道府県を選び、担当の署へ進みます。
全国の相談先の探し方
住まいではなく、勤務先の場所から探す
都道府県を選ぶ
国の一覧から勤務先の県へ
担当の署を探す
勤務先の市区町村で探す
相談内容を伝える
有給の記録と返答を伝える
労働基準監督署は、勤務先の場所から探す。
相談には、雇用契約書と給与明細を用意できます。有給の付与記録と、申し出た文面も残します。
「いつ申し出たか」「どう返事されたか」を書きます。日数が違う時は、契約の日数と付与記録を示します。
A型の有給を申し込む前に何をそろえますか?
付与日、もらった日数、使った日をそろえます。

国は、有給の管理簿に記録する項目を示しています。休んだ時季、日数、基準日です。この記録をもとに、自分用のメモも作れます。
基準日は、有給がつく日のことです。事業所が日をそろえて管理することもあります。雇われた日だけでなく、実際の付与日も見ます。
次に、契約で働く日数と時間を書きます。早見表のどの列かを、自分の言葉で残せます。事業所の記録と違う時は、その列から比べられます。
通院前に持っておく確認メモ
B-GO!の確認メモ:A型の有給を申し出る前に
契約の働き方
雇われた日、働く日数と時間を書く
有給の記録
付与日、ついた日数、使った日を書く
休む日の希望
希望日、休み方、連絡先を書く
メモは、書類の名前だけで終わらせなくて大丈夫です。「契約は見つかった」「残りの日数はまだ不明」。分かったことと、まだ分からないことを分けます。
残りの日数は、前からの分も合わせて見ます。使った分が、どの付与分から引かれたかもたどります。消える時期が近い分は、別に印を付けられます。
通院の希望は、診察だけでなく移動も含めて書けます。半日や時間単位を望むなら、その希望も添えます。使える仕組みは、就業規則や協定と見比べます。
有給がつく条件と、使う手続きは分けて考えられます。書類の出し方が分からない時も、条件から見直せます。まずは、勤続と出勤率を記録からたどります。
そのうえで、働く日数に合う表を見ます。付与記録と合わせれば、通院に使える分を探せます。申し出た後も、勤怠と給料の記録を残しておけます。
うまく伝えにくい時は、このメモを見ながら話せます。必要な書類を、最初から全部そろえなくても構いません。分かっていることから、順に言葉にできます。
出典
- 障害者総合支援法施行規則|デジタル庁 e-Gov法令検索
- 就労継続支援事業利用者の労働者性に関する留意事項について|厚生労働省
- 年次有給休暇とはどのような制度ですか|厚生労働省
- 労働条件・職場環境に関するルール|厚生労働省
- 年次有給休暇|働くときの基礎知識|働くときの基礎知識
- 働き方のルール(年次有給休暇)|東京労働局
- 年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説|厚生労働省
- 年次有給休暇を時間単位でとれると聞きましたが|厚生労働省
- 年次有給休暇について|大阪労働局
- 労働基準法|厚生労働省掲載条文
- 都道府県労働局・労働基準監督署の所在地一覧|厚生労働省
