ジョブコーチとは?本人と会社を支える役割と相談の流れ

ジョブコーチは、職場で本人と会社の双方を支える人です。
仕事はできても、教わり方が合わない。困った時に、誰へ話すか分からない。職場での不安には、さまざまな形があります。
ジョブコーチは、働く現場に入って支えます。本人への助言だけでなく、会社にも働きかけます。仕事や周りの環境も、一緒に見直します。
ジョブコーチとは、どんな役割の人ですか?
本人と会社の間に入り、働きやすい形を整える人です。

正式な名前は「職場適応援助者」です。職場で仕事になじむための支えを担います。相談室で話を聞くだけの支えとは違います。実際の仕事や、周りとの関わりを見て進めます。
見るのは、本人の仕事の進め方だけではありません。会社がどう教え、どんな仕事を任せるかも見ます。本人への助言と、会社への助言を組み合わせます。
たとえば、作業のミスが続く場面があります。本人には、作業を進める方法を伝えます。会社には、教え方や仕事の組み立て方を提案します。どちらかだけに変化を求める支えではありません。
現場を見て、働く形を整える
ジョブコーチの役割と支えの向き
困る場面を見る
本人と会社の話を聞く
方法を整える
作業と教え方を見直す
会社へつなぐ
上司や同僚に方法を伝える
支えには、仕事の内容を組み直す提案もあります。周りの環境を変える提案もあります。本人の努力だけでは変えにくい点も扱います。
仕事で何を目指すかは、支援計画にまとめます。目標を決めてから、現場での支えを進めます。本人の困りごとと、会社の困りごとを重ねて考えます。
目指す先は、会社の中で支えが続くことです。上司や同僚に、本人に合う方法を伝えます。支える役目を、少しずつ職場へ移していきます。
そのため、相談では仕事の場面を伝えると役立ちます。「働くのが不安」だけでも話し始められます。そのうえで、どの作業や会話がつらいかを整理します。
ジョブコーチは本人と会社に何をしてくれますか?
本人には仕事の進め方を、会社には教え方を助言します。

本人への支えには、作業を覚えるための工夫があります。手順書を作る支えも、公的な案内に出ています。仕事中の不安や悩みを話すこともできます。
人とのやりとりも、支えの対象です。上司や同僚と、どう関わるかを一緒に考えます。相談しやすい関係を作るための橋渡しも行います。
会社への支えには、作業の任せ方への助言があります。本人が力を出しやすい仕事を提案します。指示の出し方や、声のかけ方も扱います。
同じ困りごとを、双方から整える
B-GO!の比べ表:本人と会社への支え
| 場面 | 本人への支え | 会社への支え |
|---|---|---|
| 作業 | 本人 作業進め方や手順を整える | 会社 作業任せ方や教え方を整える |
| 会話 | 本人 会話相談や関わり方を考える | 会社 会話声のかけ方を考える |
| 体調 | 本人 体調疲れや不安を伝える | 会社 体調変化のサインを知る |
国のリーフレットには、段階を分ける例があります。まずは、正しく作業を進めることを目指します。慣れたら速さを上げ、安定したら仕事を増やします。教える側にも、この進め方を伝えています。
ミスを伝える時の、話し方への助言もあります。落ち着いて伝え、直す方法も一緒に示す例です。注意だけで終わらず、次にどう動くかを伝えます。
体調や生活のリズムも、仕事との関係で扱います。日誌を使う支えも、公的な案内にあります。会社には、疲れやストレスのサインを伝えます。
家族への助言も、支えの内容に入っています。働く生活を、家庭でどう支えるかを考えます。本人への支えと、職場への支えをつなぐ役目です。
相談では、困ることと助かることを並べられます。口頭の説明で困るか、手順書があると助かるか。今の仕事を思い浮かべて、言葉にしておけます。
ジョブコーチはどんな人が使えますか?
職場での支えがいる、障害のある人が対象です。

就職が決まる前の相談と、就職後の相談があります。働き始めたばかりの人だけに限りません。雇われた後に、職場で困りごとが出た人も対象です。
対象を考える時は、仕事で困る場面を見ます。作業の進め方や、人との関わり方が手がかりです。病名から、向いている仕事を決める支えではありません。本人と会社の状況に合う計画を作ります。
就職前も、働いてからも相談の対象
今の状況から、話す内容を整理する
今、会社で働いている?
今の職場の話から
作業や人との関わりを伝える
就職に向けた話から
仕事と支えの希望を伝える
家族は、家庭で見える変化をメモにできます。仕事の後に疲れが強い、相談をためらっている。本人が話したいことと分けて書く方法もあります。
本人の言葉が、まだまとまっていなくても構いません。できている仕事と、困る仕事を分けてみます。支えを受けたい場面を、相談で整理していきます。
ジョブコーチはいつから、どのくらい支えますか?
配置型の支援期間は、標準で2〜4か月です。

期間は、本人と職場の状況に合わせて決めます。配置型では、1〜8か月の範囲で定めます。
始める時期は、雇用前や雇用と同時の時期です。すでに雇われた後からも始められます。国のリーフレットは、この使い方を示しています。
最初は、困りごとへの支えを集中的に行います。仕事や職場で、何が難しさにつながるかを見ます。そのうえで、本人と会社への助言を進めます。
支える役目を、少しずつ職場へ
配置型の支えと、その後の流れ
集中支援
困る場面を見て方法を整える
移行支援
上司や同僚へ方法を伝える
フォローアップ
終えた後も状況に応じて支える
配置型は標準2〜4か月。個別に1〜8か月で定めます。
次に、支える役目を職場の担当者へ移します。ジョブコーチは、本人に合う支え方を伝えます。会社が、その方法を続けられる形を目指します。
ずっと同じ形で訪問する仕組みではありません。本人の課題や、職場の支え方を見て進めます。職場で支えが続くようになった段階で終えます。
支援を終えた後も、状況に応じて支えます。これが、フォローアップです。困りごとが変わった時の連絡先も、整理しておけます。
配置が変わるなどして、新たに困ることもあります。公的な案内には、改めて支える道も出ています。その時は、支援計画を作って進めます。
相談の時は、就職や担当の変更予定も伝えます。変わる仕事と、変わらない仕事を書き分けます。これまで役立った支え方も、引き継ぐ材料になります。
ジョブコーチにはどんな種類がありますか?
所属先によって、配置型・訪問型・企業在籍型があります。

配置型は、地域障害者職業センターに所属します。働く職場へ出向き、本人と会社を支えます。ほかの型のジョブコーチと連携する役目もあります。
訪問型は、社会福祉法人などに所属します。障害のある人の就労を支える法人などです。そこから、本人が働く職場へ出向いて支えます。
企業在籍型は、本人を雇う会社に所属します。会社の従業員として、社内の人を支えます。外から訪問する型とは、所属先が違います。
誰に所属する人かを見分ける
ジョブコーチの所属先を確かめるメモ
配置型
地域障害者職業センターに所属
訪問型
就労を支える社会福祉法人などに所属
企業在籍型
本人を雇う会社に所属
訪問型では、決められた養成研修を終えた人が担います。そのうえで、相当の経験や力がある人が担当します。企業在籍型も、決められた養成研修を終えた人です。
本人や家族は、所属先と役目を分けて見られます。社外から来る人か、社内で支える人かを確かめます。会社の担当者と、誰が話を進めるかも整理します。
会社に企業在籍型がいない時も、相談の道はあります。配置型や訪問型は、外から職場へ出向きます。まずは、職場で支えがいることを伝えられます。
型の名前だけで、本人に合う支えは決まりません。どの仕事や、どんな関わりで困っているかを見ます。支援計画の中身と、職場とのつながりを見ていきます。
ジョブコーチを使うまでの流れは?
相談し、本人と会社の同意を得て、支援計画を作ります。

地域障害者職業センターが、相談の入口です。ハローワークから取り次ぐ道もあります。今の支援者がいる人は、相談先を一緒に整理できます。
相談では、本人の様子と会社の状況を見ます。どんな作業をしていて、どこで困るかを整理します。会社がどう教え、どう支えているかも見ていきます。
相談から、職場での支えまで
配置型を考える時の進み方
相談する
本人と職場の状況を伝える
同意して計画へ
何をどう支えるかを決める
職場で支える
仕事や教え方を整える
配置型では、障害者職業カウンセラーが計画を作ります。本人と会社の双方と話し合い、同意を得て進めます。その計画をもとに、ジョブコーチが職場へ出向きます。
計画には、具体的な目標を置きます。仕事を進めるうえで、何を変えていくかを決めます。支えの向き先を、本人と会社でそろえるためです。
相談前のメモには、今の仕事を書けます。担当している作業と、教えてくれる人を書きます。すでに試した方法も、うまくいったかに分けられます。
本人と会社で、困りごとの見え方が違うこともあります。本人は不安を感じ、会社は教え方に迷っている。双方の話を聞く流れなので、別々の視点を伝えます。
通院先との連携を行う例も、公的資料にあります。本人の同意を得て、主治医の助言を受ける例です。仕事をする時の配慮を、計画に生かしています。
相談では、すべてを整えてから話す必要はありません。今いちばん困っている場面から伝えられます。計画を作る中で、支えの内容を具体的にしていきます。
ジョブコーチと就労定着支援・B型はどう違いますか?
ジョブコーチは、会社の仕事や教え方を現場で整えます。

就労定着支援は、障害福祉サービスです。働く環境の変化で生じた、生活面の課題を扱います。会社や関係する機関との連絡や調整も行います。
対象は、就労移行支援などを経て就職した人です。そのうえで、働く生活に課題がある人などです。ジョブコーチと比べる時は、支えの中心を見ます。
B型も、障害福祉サービスです。雇用契約を結んで働くことが難しい人を支えます。働く場や作業の場を用意し、力を伸ばす支えです。
何を中心に支えるかで比べる
B-GO!の比べ表:名前が近い支えの違い
| 支えの名前 | 中心となること |
|---|---|
| ジョブコーチ | ジョブコーチ 中心となること会社の現場で、作業や教え方を整える |
| 就労定着支援 | 就労定着支援 中心となること就職に伴う生活面の課題を支える |
| 就労継続支援B型 | 就労継続支援B型 中心となること働く場と、力を伸ばす支えを用意する |
国は、就労系のサービスを5種類としています。B型や就労定着支援も、この中に入っています。
似た言葉でも、相談で伝える内容は変わります。仕事の手順や、上司との会話で困っているのか。家での生活や、働く生活の変化で困っているのか。場面を分けて書くと、話の中心を伝えられます。
ジョブコーチも、体調や生活のリズムを扱います。そのため、支える話題に重なりはあります。名前だけでなく、何を誰と整えるかで比べます。
B型は、会社の職場へ人を派遣する制度とは違います。働く場そのものを用意するサービスです。会社での支えを考える時は、この違いを押さえます。
B型の仕組みは、就労継続支援B型とはにまとめています。働く場を選ぶ話と、会社での支えを分けて読めます。
生活面の支えは就労定着支援とはで説明しています。
職場で配慮を相談する方法は働く場の合理的配慮も読めます。
ジョブコーチの費用や会社への伝え方は?
地域障害者職業センターのジョブコーチ支援は無料です。

本人と会社が同意し、計画を作って進めます。本人だけで職場への派遣を決める流れではありません。会社にも、何を支える人かを伝えていきます。
会社への説明では、支えの向きを伝えられます。本人に仕事の進め方を助言すること。会社にも、教え方や仕事の任せ方を助言すること。この双方が、制度の支えに入っています。
外から人が来ることに、会社が戸惑うこともあります。その時は、今困っている場面を話の中心に置きます。作業の進め方なのか、声のかけ方なのか。変えたい点を、相談先と一緒に言葉にできます。
無料の支援も、双方の同意から
会社と相談を進める時の分かれ道
本人と会社の同意はそろった?
支援計画へ
目標と支え方を話し合う
相談で内容を整える
本人と会社の希望を整理する
本人が、会社への説明に不安を感じる時もあります。誰へ、どんな内容を話したいかを書き出せます。先に相談したい内容と、会社と話す内容を分けます。
医療との連携を考える時も、本人の同意が出発点です。国の資料は、同意を得て主治医と連携する例を示します。仕事で気をつける点を、支えに生かす例です。
無料の支援と、会社向けの助成金は別の話です。国は、訪問型などの支援を行う法人を助成します。企業在籍型の支援を行う会社への助成もあります。
助成金の受け手は、支援を行う法人や会社です。本人が受け取るお金の説明とは分けて読みます。この記事では、本人が相談する道を中心に扱います。
会社への言い方は、短いメモにしておけます。「仕事を続けるため、教わり方を相談したい」。そこへ、今困っている作業や会話を添える形です。
ジョブコーチの相談先はどこで探せますか?
全国の地域障害者職業センターで相談できます。

都道府県ごとのセンターを一覧から探せます。求職登録先のハローワークからも取り次げます。
住む地域から相談先を探す
全国のセンター一覧を開く
ジョブコーチの相談と伝える
作業・教え方・希望を整理
全国の地域障害者職業センター一覧から探せます。
住所だけでなく、働く場所も伝えてください。本人と会社の状況に応じて、支え方を相談します。
ジョブコーチに相談する前に何をまとめますか?
困る場面、助かる方法、会社の相談相手をまとめます。

本人と会社の状況を見て、支援計画を作るためです。B-GO!では、相談に持っていくメモに整理しました。書ける所から、今の言葉で埋められます。
困る場面は、作業や会話に分けて書けます。指示を聞く時か、作業を進める時か。分からない点を、上司へ聞く時か。どこで止まるのかを、仕事の順に並べます。
「仕事が苦手」だけで、まとめる必要はありません。できている作業も、隣に書いておけます。仕事の全体と、困る所を分けて伝えるためです。
相談へ持っていくメモ
B-GO!の確認メモ:職場で受けたい支え
困る場面
どの作業や会話で止まるか
助かる方法
手順書や声かけなどの希望
会社の相談相手
上司や指導担当者とのつながり
助かる方法は、すでにある工夫から書けます。手順書を見ると進めやすい、といった内容です。まだ試していない方法は、希望として分けて書きます。公的な案内にも、手順書を作る支えが出ています。
会社の相談相手は、役職や担当名で整理できます。仕事を教えてくれる人と、人事の担当者などです。誰に仕事の話をしているかが分かる形にします。
本人と会社の希望が違う時は、両方を書けます。本人は不安を減らしたい、会社は教え方を知りたい。それぞれの希望を分けて持っていく方法です。支援計画は、双方との相談を通じて作ります。
家族は、本人が話した内容を補うメモにできます。家で見えたことと、本人の気持ちを分けて書きます。相談で、本人が自分の話をする余地を残すためです。
最後に、どんな働き方を続けたいかも添えられます。今の仕事を覚えたい、上司へ相談できるようになりたい。相談で扱いたいことを、自分の言葉で書きます。
ジョブコーチは、本人と職場の双方を支えます。仕事の進め方と、会社の教え方を一緒に整えます。困る場面を伝えることが、計画を作る出発点です。
出典
- 職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援について|厚生労働省
- 「職場適応援助者(ジョブコーチ)支援」を活用しましょう!|厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク
- 職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援|高齢・障害・求職者雇用支援機構
- 神奈川障害者職業センター 事業主の方へのサービス|高齢・障害・求職者雇用支援機構
- 障がい者雇用に取り組む事業主への支援制度|神奈川県
- 障害のある方の「働く」を相談する|横浜市 障害自立支援課就労支援係
- 障害者地域就労援助センター|川崎市 障害者社会参加・就労支援課
- 障害者地域就労援助センターについて|相模原市
- 就労定着支援事業|横浜市 障害施設サービス課
- ジョブコーチ支援FAQ|高齢・障害・求職者雇用支援機構 茨城障害者職業センター
- 障害者総合支援法施行規則|デジタル庁 e-Gov法令検索
- 障害者の就労支援対策の状況|厚生労働省
- 地域障害者職業センター一覧|高齢・障害・求職者雇用支援機構
