自立訓練と就労継続支援B型の違いを比べる

自立訓練と就労継続支援B型の違いを比べる

自立訓練は、地域で暮らすための力を育てる福祉サービスです。B型は、一般企業などで働くことが難しい人を支えます。作業や生産活動の機会と、必要な支援を提供します。

どちらにも生活や体調を整える支援がありますが、中心となる目的が違います。暮らしでできることを増やしたいのか、働く経験を重ねたいのか。今の希望を整理すると、相談しやすくなります。

自立訓練とB型の違いは?

生活訓練は暮らしの力を育て、B型は作業や生産活動を通じて働くことを支えます。目的だけでなく、利用できる人の条件も違います。

自立訓練とB型の違いは?
目的・対象者・期間・お金の比較
比べる点 自立訓練(生活訓練) 就労継続支援B型
目的 地域で暮らすための生活の力を整える 働く場と作業の機会を得て、働く力を高めたり保ったりする
使える人 原則18歳以上。地域で暮らすための支援が必要な、障害のある人。 一般企業などで働くことが難しい人。対象の区分は下で説明します。
内容 買い物、家事、お金や時間の管理、人とのやりとりなど 生産活動や作業、働くために必要な知識や力を身につける支援
利用期間 標準2年。長期入院などの対象者は標準3年 標準利用期間の定めなし
利用料所得に応じた月額上限があります。生活訓練と同じ上限の仕組みです。
工賃 訓練に対する工賃はない 生産活動に対する工賃がある

自立訓練には「機能訓練」と「生活訓練」があります。この記事では、買い物や生活管理などを練習する生活訓練を中心に比べます。

B型でも、通うことを通じて生活リズムを整えたり、人との関わりを練習したりします。一方、生活訓練にも仕事に向けた準備を含む事業所があります。活動の一部が似ていても、どんな目的で利用するかが大切です。

B型は、利用対象の確認も必要です

B型では、主に次のような対象者の区分があります。「作業をしたい」という希望だけで利用が決まるわけではありません。

  • 就労経験があり、年齢や体力の面で一般企業などに雇用されることが難しくなった人
  • 50歳以上の人、または障害基礎年金1級を受けている人
  • 上の区分に当てはまらず、就労選択支援で課題などを整理した人

近隣に事業所がない場合や、利用まで待機が生じる場合もあります。その場合は、就労移行支援事業所等の評価で代えられます。先に就労選択支援を使う必要があるかも、区分で違います。市区町村の障害福祉の窓口で確認できます。相談支援事業所でも相談できます。

自立訓練とB型は何をしますか?

生活訓練では毎日の生活を練習します。B型では生産活動や作業を通じて働く経験を重ねます。

自立訓練とB型は何をしますか?
それぞれの活動の例
生活訓練:暮らしの練習
買い物、家事、時間やお金の管理、通院、人とのやりとりなどを練習します。
B型:作業を通じた経験
事業所の作業や生産活動に取り組み、働くための知識や力を身につけます。

国立障害者リハビリテーションセンターの例を見てみます。遅刻や欠席時の対応、仕事と休憩の切り替えを練習します。生活訓練では、本人の暮らしの課題に合わせて練習します。家事、お金の管理、通院などがその例です。

B型は、作業や生産活動に取り組みながら、仕事に必要な知識や力を身につける場です。雇用契約を結ばずに利用します。体調や得意なことに合う作業や、通うペースを相談します。

活動の中身は、同じサービス名でも事業所ごとに違います。希望する練習や作業ができるか、見学で比べます。

自立訓練とB型の利用期間は?

生活訓練の標準利用期間は2年です。B型には、同じような標準利用期間の定めはありません。

自立訓練とB型の利用期間は?
標準利用期間の目安
生活訓練
標準2年です。
生活訓練のうち、長期入院などの対象者
標準3年です。
B型
標準利用期間の定めはありません。受給者証の有効期間や更新手続きは確認が必要です。

生活訓練は、期間を区切って生活の力を育てるサービスです。長期間入院していた人などは、標準利用期間が3年です。制度上の対象に当てはまる必要があります。

標準利用期間を超えても支援が必要なときは、市区町村で個別に審査します。必要と認められれば、更新できることがあります。

B型には同じような標準利用期間はありません。ただし、支給決定には期限があります。実際に利用できる期間は受給者証で確認します。続けて利用したいときは更新の手続きを行います。

自立訓練とB型のお金の違いは?

B型では、生産活動に対して工賃が支払われます。生活訓練は、訓練を受けること自体で工賃が支払われるサービスではありません。

自立訓練とB型のお金の違いは?
工賃の有無と全国の平均
生活訓練
生活の練習を受けるサービスで、訓練そのものに対する工賃はありません。
B型
生産活動に取り組み、工賃を受け取ります。

全国のB型・2024年度(令和6年度)

平均工賃月額 24,141円

実際に受け取る工賃は、事業所や利用状況で変わります。

工賃は、雇用契約に基づく給与とは異なります。B型の事業所は、生産活動の収入から必要な経費を引きます。その額を利用者の工賃として支払います。

図は全国の実績をまとめた平均です。実際に受け取る額は、一人ひとり異なります。

実際の工賃は、生産活動や工賃の決め方によって変わります。作業に取り組む時間や日数などでも変わります。見学では、工賃の計算方法を聞いてみましょう。希望する通い方での見込み額も質問できます。

都道府県ごとの工賃実績や、事業所ごとの実績も公表されています。通える地域の候補を比べるときは、実績の年度も見ます。同じ年度の実績をそろえると比べやすくなります。

自立訓練とB型の利用料は?

どちらも所得に応じた月額の上限があります。18歳以上の人が通所で利用する場合、世帯の範囲は本人と配偶者です。

自立訓練とB型の利用料は?
通所サービスの利用料の月額上限
世帯の区分 月額上限
生活保護を受けている世帯 0円
住民税が非課税の世帯 0円
住民税がかかり所得割が16万円未満の世帯。20歳以上の入所施設利用者とグループホーム利用者を除く 9,300円
上の区分以外の、住民税がかかる世帯 37,200円

ここでいう「世帯」は、同じ家に住む家族全員という意味ではありません。18歳以上で通所サービスを使う場合を比べます。この場合は、本人と配偶者の所得で判定します。親と同居していても、親の所得はこの判定に含みません。

「所得割」は、住民税のうち、所得に応じて決まる部分のことです。通所で、住民税がかかる世帯の場合です。所得割が16万円未満なら、月額上限は9,300円です。

表の金額は利用料の上限です。上限額が、そのまま毎月の請求額になるわけではありません。20歳以上で施設に入所している人などは、区分が異なります。入所や宿泊を伴う利用は、通所と分けて相談します。

食費や交通費、活動に必要な材料費などは、利用料とは別にかかる場合があります。利用料と、それ以外の費用は分けて聞きます。通い続けるために必要なお金を、整理できます。

自立訓練とB型はどちらから選ぶ?

今の目標が暮らしの練習なら生活訓練、作業や生産活動ならB型が候補です。希望と利用対象の両方を確認して選びます。

自立訓練とB型はどちらから選ぶ?
今の目標から考える選び方
生活を整えたい
朝の準備、買い物、家事などを練習したいなら、生活訓練を候補にします。
支援を受けながら作業に取り組みたい
B型を候補にして、利用対象や就労選択支援の必要性を確認します。
両方が気になる
相談支援事業所などで、今困っていることと希望を整理します。

朝の準備や買い物の練習が目標なら、生活訓練が候補になります。作業に取り組みながら通いたいなら、B型が候補になります。生活の課題があっても、B型を候補にできます。働く希望がある人も、生活訓練を選ぶことがあります。

病名だけで決めず、本人の希望を中心に考えます。たとえば、一人で外出したい、無理なく作業を続けたい。できるようになりたいことを、具体的に伝えます。必要な支援を話し合いやすくなります。

B型の対象区分は、上の節で確認できます。希望する作業と、必要な支援の両方から考えます。

生活訓練からB型へ進む道もあります。迷ったら、相談支援の担当者と希望や通える日数を整理します。見学と相談を通じて、合う順番や通い方を考えます。利用を始めるには、市区町村で支給決定を受ける手続きが必要です。

自立訓練とB型は併用できますか?

通所の生活訓練とB型を同じ日に使うことは、原則できません。曜日を分けて使う形は、市区町村が必要と認めれば支給される場合があります。

自立訓練とB型は併用できますか?
同じ日の利用と、曜日を分ける利用
通所の生活訓練とB型を同じ日に使う
原則できません。午前と午後に分ける場合も、同じ日の利用に当たります。
曜日を分けて使う
それぞれの支援が必要と市区町村に認められれば、支給される場合があります。
相談するときに伝えること
生活面と仕事面で必要な支援、希望する曜日、通う負担を整理します。

生活訓練とB型は、どちらも日中の活動を支えるサービスです。午前と午後に分けても、同じ日の通所に当たります。原則として、両方を使うことはできません。

曜日を分ける場合は、それぞれで練習したいことを整理します。片方だけでは足りない支援は何かも考えます。相談支援の担当者などが手伝います。希望する日程のほか、体調や通う負担も含めて相談します。市区町村が支給を判断します。

宿泊型自立訓練は、通所の生活訓練と仕組みが違います

宿泊型自立訓練は、住まいの場で受ける支援です。主に夜間や休日に、生活の練習や相談などを行います。日中はB型などに通い、夜間や休日に生活の支援を受ける使い方があります。

これは、通所の生活訓練とB型を同じ日に重ねて利用する場合とは異なります。併用の相談では、通所か宿泊型かを分けて伝えます。希望する使い方を確認しやすくなります。

自立訓練とB型はどう申し込みますか?

住んでいる市区町村の障害福祉の窓口へ相談します。申請と支給決定を経て、事業所と契約します。

自立訓練とB型はどう申し込みますか?
利用開始までの基本の流れ
  1. 希望を整理する困っていること、練習したいこと、希望する通い方を考えます。
  2. 市区町村へ相談・申請する利用対象や必要な手続きを確認します。
  3. 計画を立て、支給決定を受ける必要な支援を整理し、受給者証の内容を確認します。
  4. 事業所と契約する活動内容、費用、通う日などを確認して利用を始めます。

最初の相談先は、住んでいる市区町村の障害福祉の窓口です。窓口の名前は地域で異なります。担当部署は、市区町村の公式サイトで調べられます。「障害福祉サービス」「相談窓口」などを探します。

相談支援事業所は、本人の希望や生活の状況を聞きます。必要なサービスを考え、利用するための計画づくりを手伝います。どこへ相談すればよいか分からない場合も、市区町村の窓口で案内を受けられます。

B型の対象区分と、先に必要な支援は上の節で確認できます。近隣に事業所がない場合などは、代わりの評価を利用できます。働く希望、得意なこと、必要な配慮などを整理します。対象者の区分によって扱いは異なります。B型の申請とあわせて、就労選択支援の必要性を確認します。

見学の予約や事業所への相談は、申請の相談と並行して進められます。見学先が決まっても、利用はまだ確定しません。支給決定と契約の手順も確認しておきます。

自立訓練とB型の見学で何を比べる?

活動内容、通う日や時間、支援の受け方、費用を比べます。同じ項目で比べると、自分に合うか考えやすくなります。

自立訓練とB型の見学で何を比べる?
見学先で聞いておきたいこと
活動
やってみたい練習や作業はあるか。自分の目標に合う内容か。
通い方
通う日、時間、休憩の取り方は合うか。体調に合わせて相談できるか。
支援
困ったときに誰へ相談するか。必要な配慮を受けられるか。
お金
利用料、食費、交通費などはいくらか。B型では工賃をどう決めるか。

見学では、同じ項目を複数の見学先で書き比べます。説明を聞いて分かったことや、気になったことを残します。あとで相談するときにも役立ちます。

生活訓練では、練習したい場面を伝えます。たとえば、買い物で予算を守る練習や、通院の予定の管理です。どのような練習ができるか、利用期間の中でどんな目標を立てるかを聞いてみましょう。

B型では、作業内容と工賃の決め方を確かめます。作業が難しかったときの支え方や、休憩についても聞きます。体調が悪い日の連絡方法も聞いておきます。通い始めてからの生活を考えやすくなります。

見学したその場で決めきれなくても大丈夫です。迷う場合は、相談支援の担当者などと整理します。本人の希望、利用できる条件、通い続けられるかを考えます。まずは住んでいる市区町村の障害福祉の窓口へ相談します。今困っていることと希望を伝えるところから始められます。

出典

制度・対象者・利用期間・費用

工賃実績・事業所検索

生活訓練の内容・自治体の案内

紹介した動画