就労継続支援B型のお金の流れは?給付費・利用料・工賃を図で整理

就労継続支援B型は、雇用契約を結ばない障害福祉サービスです。
「お金を払うのに、工賃も受け取るの?」。家族が戸惑いやすいのは、この点です。払うお金と受け取るお金を分けると分かります。
この記事では、金額より先に流れを見ます。どこから来て、何のために使うお金なのか。国・市町村・事業所・本人をつないで読みます。
B型のお金の流れは、どうつながっていますか?
支援のサービス代と、作業から生まれる工賃は、別の流れです。

支援の側では、市町村が給付費を支払います。その費用は、国や都道府県も分担します。本人が負担する利用料も、支援の側のお金です。
作業の側には、商品や仕事の売上が入ります。そこから、その作業にいる経費を引きます。工賃は、この生産活動の収支から払います。
本人は、支援を受ける人でもあります。同時に、作業に取り組む人でもあります。利用料を払う側と、工賃を受け取る側に分かれます。
国・市町村・事業所・本人のお金の流れ
B-GO!の全体図:支援の道と作業の道
国・都道府県
公費を分担 → 市町村へ
市町村
給付費 → 事業所へ
事業所
本人への支援に使う
利用料
支援のサービス代の一部
工賃
作業の売上 − 作業にいる経費
商品を買う人や仕事の注文主から、事業所へ売上が入ります。
図の中で、事業所はお金が集まる場所です。ただ、入ったお金の使い道は同じではありません。支援のためか、作業のためかを分けます。
矢印の向きにも注目してください。利用料は、本人から事業所へ向かいます。工賃は、事業所から本人へ向かいます。
B型の給付費は、誰が何のために出しますか?
市町村が支払う給付費は、本人への支援を支えるお金です。

国の資料では、事業所の運営を支える収入です。支援する職員の給料などにもつながります。本人の工賃とは、役目の違うお金です。
B型は、作業をする場を貸すだけではありません。仕事に取り組むための支援も行います。作業の機会と支援を届けるサービスです。
給付費の流れを見る時は、支える側に注目します。市町村だけで、すべての公費を出す形ではありません。国や都道府県も、その費用を分担します。
支援のお金を誰が支えるか
出す人・受け取る人・支援を受ける人
| 関わる人 | お金と支援の役目 |
|---|---|
| 国・都道府県 | 公費を分担する 市町村の支払いを支える |
| 市町村 | 給付費を支払う 本人へのサービスにつながる |
| 事業所 | 支援を届ける 給付費は支援や運営の側へ |
| 本人 | 支援を受ける 給付費と工賃は分けて見る |
ここでは、支払い先と支援の相手を分けます。事業所がお金を受け取っても、支援の相手は本人です。お金の行き先だけで、制度の役目は決まりません。
給付費を、本人が使う現金と考えると混乱します。代理受領では、事業所が本人に代わって受け取ります。サービスの費用を支払うための仕組みです。
職員の給料と本人の工賃も、分けて考えます。支援を行う職員の給料は、支援の側の費用です。本人の工賃は、生産活動の側から出ます。
B型の利用料は、どこへ行くお金ですか?
利用料は、本人が事業所に払うサービス代の一部です。

自治体の案内でも、この流れを説明しています。本人がサービス提供事業所に支払うお金です。工賃を受け取るための積立金ではありません。
支援のサービス代は、本人の負担だけではありません。給付費で支える部分もあります。本人が払う利用料は、そのサービス代の側に入ります。
利用料の負担には、所得に応じた上限があります。払う額の決まりと、お金の行き先は別の話です。この記事では、行き先を先に押さえます。
利用料の行き先をたどる
工賃の道ではなく、支援の道へ
本人が支援を受ける
B型のサービスを使う
本人の負担分を払う
本人 → 事業所
サービス代になる
給付費とともに支援を支える
払った利用料が、本人の工賃の元になる流れではありません。
「働くのに、なぜ払うのか」と感じる家族もいます。ここでは、働くことと支援を受けることを分けます。利用料は、支援を受ける側の負担です。
本人が払うお金と、受け取る工賃は別の道です。どちらも同じ事業所との間で動きます。それでも、元のお金や払う理由は同じではありません。
「支払い先が同じだから」と、まとめないでください。支援のサービス代と、作業の売上は分けて扱います。事業所の中でも、会計を分ける決まりがあります。
負担の上限や、食費などの内訳は別の記事です。B型の利用料と通う時にかかるお金で説明します。流れを押さえてから読むと、項目を分けられます。
B型の工賃は、何から出るお金ですか?
工賃は、作業の売上から、その作業にいる経費を引いて払います。

国の基準では、生産活動の収入が出発点です。商品を売ることや、仕事を受けることが入口です。支援の給付費とは、別の入口になります。
生産活動とは、ものを作る活動だけではありません。受けた仕事などによる収入も、作業の側で扱います。工賃を見る時は、この売上の道をたどります。
ただ、売上のすべてが、そのまま工賃になる形ではありません。作業に使う材料などの経費もあります。その経費を引く、という段階が入ります。
売上から本人の工賃まで
工賃の元を、作業の入口から見る
作業の売上
商品の代金・受けた仕事の代金
作業の経費を引く
材料など、生産活動にいる費用
工賃として払う
事業所 → 本人
工賃の元になるお金と、本人への分け方は分けて読みます。
この流れでは、事業所の役目も見えてきます。作業の収入と経費を分けて記録します。そのうえで、工賃の支払いにつなげます。
その次に、何の経費を引いたのかへ進みます。売上と工賃の差を、すぐ別の意味に結びつけません。まず、作業の費用があることを押さえます。
工賃の平均や、支払う額の見方は別の記事です。B型の工賃はいくらかにまとめています。この記事の図は、その工賃が生まれる道を示します。
B型の売上と工賃は、どこが違いますか?
売上は作業の収入で、工賃は経費を引いて本人へ払うお金です。

売上の額だけでは、工賃の元は読み切れません。その作業に、どんな費用がかかったかも見ます。国の会計資料も、収入と費用を分けています。
ものを作る活動では、材料を使います。作業に直接いる道具や消耗品も、費用の側です。売上と並べて、こうした支出を記録します。
ここでいう経費は、作業のための費用です。支援にかかる費用と、何でも混ぜる形ではありません。何のために使ったお金かを分けて扱います。
売上・経費・工賃を比べる
B-GO!の比べ表:同じ作業の中での違い
| お金の名前 | 流れの中の場所 | 読む時の目印 |
|---|---|---|
| 売上 | 作業の入口 | 商品や仕事の代金が入る |
| 作業の経費 | 作業のための支出 | 材料などにお金を使う |
| 工賃 | 本人への支払い | 作業の収支から払う |
売上の合計と、本人が受け取る工賃を、そのまま比べないで読みます。
また、職員の給料をすべて同じ側に置くわけでもありません。支援に当たる職員か、生産活動のための職員か。その役目で、費用の分け方を見る考え方です。
家族が会計の細かな計算まで行う話ではありません。まずは、費用にも使い道の違いがあると分かれば十分です。説明の中で、支援と作業のどちらかを見ます。
「入った額」と「本人に払う額」は違う言葉です。売上は、作業から入ったお金を表します。工賃は、本人へ支払うお金を表します。
B型の給付費を、そのまま工賃に回しますか?
通常の工賃は、給付費ではなく生産活動の収支から払います。

国は、支援の会計と生産活動の会計を分けています。支援のために受け取るお金と、作業の収入は別です。事業所に入るお金を、まとめて工賃とはしません。
この違いは、家族の疑問にもつながります。「事業所に給付費が入るなら、工賃もそこから?」。そう読まず、どの活動のためのお金かを分けます。
国の会計資料も、二つのお金を分けています。支援員の給料は、福祉事業活動の費用です。工賃は、生産活動の収支から払います。
混ざりやすい読み方をほどく
同じ事業所に入っても、役目は別
| 混ざりやすい読み方 | 流れに沿った読み方 |
|---|---|
| 給付費が本人の工賃になる | 給付費は支援の側へ 工賃は生産活動の収支から |
| 利用料が工賃として戻る | 利用料はサービス代の一部 工賃とは別の道 |
| 入ったお金は全部同じ | 支援と作業で会計を分ける 入口と使い道を見分ける |
会計を分けるとは、お金の役目を分けて記録することです。家族は、銀行口座の数を数える話と考えなくて構いません。説明の中で、支援と作業が分かれているかを読みます。
給付費が入ることと、工賃の元があることは別です。工賃の説明では、作業の収入と経費を見ます。給付費の額だけで、本人の工賃は読み取れません。
また、利用料を先に払ったかどうかだけでも読めません。利用料は支援のサービス代の側です。工賃は作業の収支の側で考えます。
B型のお金の流れは、書類でどう見分けますか?
利用料の請求と、給付費の代理受領の知らせを分けて読みます。

代理受領は、本人に代わって事業所が受け取る仕組みです。本人は、事業所へ自分の負担分を支払います。給付費の額と、自分が払う額を分けて見ます。
代理受領の知らせは、お金を受け取ったことの通知です。そこにある額を、利用料の請求とは読みません。書類の名前と、支払いを求める欄を分けます。
反対に、利用料の請求は本人から払う側の書類です。工賃の説明や明細は、本人が受け取る側です。金額を見る前に、どちら向きのお金かを読みます。
書類とお金の向きの早見表
額を読む前に、書類の役目を分ける
| 書類や説明の内容 | お金の向き | 読むところ |
|---|---|---|
| 利用料の請求 | 本人 → 事業所 | 本人が払う負担分 |
| 代理受領の知らせ | 市町村 → 事業所 | 代わりに受け取った給付費 |
| 工賃の明細や説明 | 事業所 → 本人 | 作業の収支から払う工賃 |
書類の表題だけでなく、「払う」「受け取った」の意味を読みます。
金額が大きく見えても、すぐ払う額と決めないでください。何のお金を、誰が受け取った知らせなのか。書類の本文へ戻って読むと、区別できます。
家族の手元では、書類に短いメモを添えられます。「本人が払う」「事業所が代わりに受け取る」。工賃の書類には「本人が受け取る」と書きます。
このメモは、書類の名前を変えるためではありません。読む時の向きをそろえるためのものです。元の表題や、説明の文も残しておいてください。
B型のお金の流れは、地域で変わりますか?
横浜市の条例も、工賃は生産活動の収支から払う決まりです。

地域資料の例として、横浜市の条例を見ます。市の条例は、生産活動の収入を出発点にしています。そこから経費を引いた額を、工賃として払います。
これは、国の基準と同じ道筋です。国の資料では全体の考え方を見られます。市の条例では、地域の事業所に関する決まりを読めます。
利用料は、横浜市の手続きの案内でも読めます。本人が事業所に払うサービス代の負担分です。工賃の元になる売上とは、別の説明になっています。
地域の資料でお金の流れをたどる
地域の資料と、お金の流れを結びつける
| 横浜市の資料 | 見られる流れ |
|---|---|
| 事業の基準に関する条例 | 作業の収入 → 経費 → 工賃 本人へ払う工賃の元を見る |
| サービスの手続きの案内 | 本人 → 事業所へ利用料 支援のサービス代の負担分を見る |
地域の条例と、国の基準を合わせて読めます。地域の窓口名は、住んでいる市町村で異なります。まず自治体の障害福祉担当の案内を開きます。
資料ごとに、説明する相手や役目は違います。条例は決まりを、手続きの案内は使う側の流れを示します。同じ金額の表を探すより、何を説明する資料かを見ます。
相談先は、お住まいの市区町村の障害福祉担当です。横浜市なら、区の高齢・障害支援課が窓口です。地域の案内で、担当する課を確かめます。
B型のお金の流れは、何から確かめますか?
給付費は支援、工賃は作業の収支という区切りから確かめます。

最初から、すべての金額を比べると混ざりやすくなります。先に、お金の名前を紙へ書き出してください。利用料、給付費、売上、経費、工賃を分けます。
次に、それぞれの横へ矢印を添えます。利用料なら本人から事業所へ。工賃なら事業所から本人へ、という向きです。
給付費は、代理受領の流れを見ます。本人に代わって、事業所が受け取る部分です。本人の財布に入る工賃とは、別に置きます。
家族で使う、お金の確認メモ
B-GO!の確認メモ:額より先に向きを見る
何のお金か
給付費・利用料・売上・工賃を分ける
誰から誰へ動くか
払う人 → 受け取る人を書き添える
何のために使うか
支援の道か、作業の道かを分ける
分からない項目は、書類の言葉をそのまま残しておきます。
その後で、何のためのお金かを書きます。支援を支えるお金か、作業から入ったお金か。名前だけで迷う所も、使い道で読み直せます。
メモには、元の書類の表題も添えてください。自分で付けた呼び名だけにしない方が伝わります。説明を読む人と、同じ言葉を使いやすくなります。
売上の説明なら、経費の欄も一緒に見ます。工賃の元は、売上だけでなく作業の収支だからです。本人へ払う額の話と、全体の収入の話も分けます。
B型のお金の流れを、家族にはどう伝えますか?
利用料はサービス代の一部、工賃は作業の収支から出るお金と伝えます。

はじめは、お金の名前を全部覚えなくても構いません。本人が払う道と、本人が受け取る道を分けます。その後で、国や市町村の役目を足していけます。
支援の道では、事業所がサービスを届けます。その費用を給付費と本人の負担分で支えます。利用料は、このサービス代の側です。
作業の道では、商品や仕事から収入が入ります。作業にいる経費を引き、工賃の支払いへつなげます。給付費の額を、そのまま工賃とは読みません。
家族に持ち帰る、お金の流れ
支援の道と作業の道を、別々に伝える
支援の道
国・県も公費を分担
市町村 → 事業所へ給付費
本人 → 事業所へ利用料
作業の道
商品や仕事の代金 → 事業所
作業にいる経費を引く
事業所 → 本人へ工賃
同じ事業所とのやり取りでも、お金の元と役目が違います。
家族に話す時は、本人を図の中に置いてみてください。本人から出る矢印と、本人へ入る矢印をたどります。同じお金が戻る話ではないと、整理できます。
書類を見ながらなら、表題を読み上げる方法もあります。利用料の請求なのか、代理受領の知らせなのか。工賃の明細なのかを、先にそろえます。
本人が受け取る工賃の額を知りたい時は、B型の工賃の記事へ進めます。本人が払うお金を知りたい時は、B型の利用料の記事が続きです。
出典
- 障害福祉サービスの内容|厚生労働省
- 指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準|厚生労働省
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律|厚生労働省
- 障害者の利用者負担|厚生労働省
- 就労支援事業の会計区分|厚生労働省
- 就労支援等の事業に関する会計処理の取扱いについて|厚生労働省
- 就労支援事業会計の運用ガイドライン|厚生労働省
- 横浜市障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例|横浜市
- 障害福祉サービスの利用手続きについて|横浜市
- 障害福祉サービス等の利用料は誰に支払うのですか|千葉市
